次の受賞者が決まるまでに、絶対に二作目を出したい
辻村 これまで書かれてきたものは、主人公の年代はばらばらですか。
平石 ばらばらです。でも自分と歳が近い女の人が多かったと思います。いつか自分とかけ離れた年齢の、たとえば七十代の男の人も書けるようになりたいです。
辻村 次はどんなものを?
平石 長編については一応プロットを編集さんにお渡ししたんですが、デビュー作とはまったく毛色が違う内容で……。二作目はデビュー作とトーンを合わせたほうがいいのか、それもまだ固まっていない状態です。
辻村 二作目のプレッシャーという言葉があるんです。二作目は、はじめていろんな読者に届けることを想定して書くので考えすぎてしまうというか。私の場合、自分が面白いと思ったらそれでいいと吹っ切ってどうにか書き上げたんですが、そうしたら担当編集者に「それでいいんです」と言われました。「作家というのは自分の中にいる、たった一人の読者に向けて書けばいいんです」って。それで、三作目からは肩の力を抜いて書けるようになりました。三作目が『凍りのくじら』なんですけれど、あれは好きなものだけを好きなように書こうと思ったら書けた小説です。
平石 肩の力、抜けるようになりたいです。私はまだまだまだ入っていて。書くのが遅いことがプチコンプレックスでもあるんですが、早く読んでいただけるように頑張ります。今日、いろいろお話しさせていただいて、私もやっと、自分が書いたものが自分で分かってきたような気がします。
辻村 なんか、まだ純度100%という感じで、すごくまぶしいです(笑)。
平石 自分では、もう来年の受賞者が決まるカウントダウンが始まっていると思っています。次の受賞者が決まるまでには、二作目は絶対に出したいなと思っていて。
辻村 その心意気が素晴らしい!
平石 ありがとうございます!














