避けるべき食べ物、摂るべき食べ物

認知症が良いほうに向かうとか、完治するとか、残念ながらそういうことはありません。

また、抱擁や手をつなぐなどの温かいスキンシップは、「愛情ホルモン」とも呼ばれるオキシトシンの分泌を促します。

オキシトシンには、ストレスの緩和、痛みの軽減、血圧の低下といった効果があり、患者さんの心を穏やかにします。ストレスを下げてあげて、スキンシップを増やして、大脳辺縁系などに良い刺激を与える。その認知症の患者さんに幸せな気分になってもらえれば、こちらも幸せになります。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
写真はイメージです(写真/Shutterstock)

脳には大脳辺縁系といって、好き嫌いを判別するなど、情動を司る場所があって、アルツハイマー病ではこの部分が損傷を受けることが多いのです。心地よい音楽、懐かしい写真、好きな香り、楽しかった想い出を振り返る回想法という働きかけにより、大脳辺縁系に快い刺激を与え、脳全体の活性化につながります。

認知症は治る病気ではないので、その人が亡くなるまで付き合っていかなければなりません。治らないので、あまり民間療法などを過信するのもよくありません。

認知症には特効薬がないので、悪化原因をできるだけ取り除くことが大切です。

①加糖飲料、高糖質の食品
高血糖値が続くと、脳を含む全身の血管が老化し、認知症のリスクが高まります。(清涼飲料水、お菓子、ケーキなど)

②超加工食品(工場で大量生産される食べ物)
ホットドッグ、フライドポテト、菓子パンなどには質の悪い油、糖分、塩分、人口添加物が含まれ、脳の炎症を悪化させます。これらの摂取量を10%減らし、健康的な食品に置き換えることで、認知症リスクが19%減少するという研究報告もあります。

③飽和脂肪酸、トランス脂肪酸
脂身の多い肉、揚げ物、生クリームなどは、動脈硬化を引き起こし、脳梗塞や認知症のリスクを高めます。

④過剰なアルコール
そもそもアルコールは、神経細胞に直接的な毒性をもたらします。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
写真はイメージです(写真/Shutterstock)
すべての画像を見る

これらの食品を完全に避ける必要はありませんが、摂取量を減らし、野菜、果物、魚、ナッツ、オリーブオイルなどを中心とした地中海式ダイエットをお勧めします。

文/梶原一人

『ハーバード×スタンフォードの医師が教える100年生きる食事術』(かや書房)
梶原一人
『ハーバード×スタンフォードの医師が教える100年生きる食事術』(かや書房)
2025/11/8
1,760円(税込)
224ページ
ISBN: 978-4910364971

ハーバード大学に研究員として留学し、在職中に世界で最も権威のある科学雑誌『ネイチャー』『サイエンス』に論文を発表。スタンフォード大学医学部・神経生物学教室で研究を続け、現在「眼科かじわら アイ・ケア・クリニック」を開業している眼科医・梶原一人氏が、100年を健康に生きるための食事術を解説します。

眼科医が栄養学を語る理由は、目の健康が体、特に「血管」の健康と密接に結びついているからです。それはつまり、目の健康はもちろん、がん、糖尿病、高血圧、動脈硬化、認知症、脳梗塞、心筋梗塞、腎臓病、薄毛まで、加齢に伴う様々な悩みに「食」を通じてアプローチすることを意味します。

本書では、糖尿病や老化を促進する揚げ物などの「AGEs(終末糖化産物)」や甘い飲み物を避け、魚、ナッツ、野菜といった血管を元気にする食品を具体的に紹介。34万人登録を誇る著者の人気YouTubeチャンネル「100年生きる!眼科チャンネル」の内容を基に、科学的根拠に基づいた「食べてはいけないもの」「食べるべきもの」を分かりやすく楽しく解説しており、あなたの目と体の未来を守る一生役立つ知識が満載です。 本書を読んで健康で100歳超えでも元気でいられる食事術を学びましょう!

amazon