救助費用は2日間で100万円かかることも…
公的機関である警察の救助活動は基本的に無償だが、民間団体が捜索・救助を行なう場合、多額の費用が発生する。
「我々のような民間の場合、1日1人につき5万円超の費用がかかります。生存の可能性がある場合、5人以上の体制や本部運営費を含めると、2日間で50万円から100万円ほどの救助費用がかかる計算になります」(同前)
相次ぐ遭難を受け、罰則付きの入山規制を求める声も上がっているが、担当者は「何でも禁止にすれば良いわけではない」と言う。
「禁止や罰則だけで縛るのは成熟した社会とは言えません。今後は、冬山登山を許可制にするなどの仕組み作りや、正確な情報発信が必要になってくるのではないでしょうか」(同前)
前出の静岡県警は、国籍を問わず事故防止に向けた啓発活動を強化している。県警公式SNSやホームページでの情報発信に加え、インバウンド需要の回復を受けて外国人向けの対策も拡充した。
具体的には、登山道が閉鎖中であることを伝え、入山自粛を求めるチラシを数カ国語で作成し、インターネット上で公開している。また、今回の遭難者が中国籍であったことに関連し、静岡県では独自の施策も展開。中国に駐在する県職員を通じ、現地での呼びかけを行なうなど、夏山シーズン終了後から継続して水際での周知に努めている。
冬の富士山を訪れる外国人登山者の実数については、この時期は登山者カウンター等での計測を行なっていないため、正確なデータは存在しない。そのため、現状では遭難や救助に至った件数ベースでしか実態を把握できないのが実情だ。
一部で外国人特有の問題として捉える向きもあるが、昨年末には日本人の遭難事故も発生している。静岡県警の関係者は「データがないため断定はできないが、リスク管理が必要なのは日本人でも外国人でも変わらない」として、国籍を問わず冬山の危険性を正しく認識するよう求めている。
※「集英社オンライン」では、今回の記事についての情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com
X(旧Twitter)
@shuon_news
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













