「白鳥麗次再登場!の巻」(ジャンプ・コミックス第73巻収録)
今回は、金持ちぶりをひけらかす軽薄男、白鳥麗次が登場する話をお届けする。
麗次は、1990年に描かれた「麗子メモリアル」(ジャンプ・コミックス第69巻収録)で初登場したキャラクターで、白鳥鉄工所社長の御曹司だ。「スーパー金持ち」を自称して、紙幣をばらまきながら麗子に迫る(ただし紙幣はカラーコピーの偽物)。
名前の由来は、超絶お嬢様が主人公の少女漫画『白鳥麗子でございます!』(作:鈴木由美子)からだろう。
「井の中の蛙大海を知らず」とは、まさに麗次を指すことわざだ。世界指折りの富裕層の一族の令嬢である麗子とにわか金持ちである自分との差を、まったく認知できていないのだ。それゆえ、彼のやることなすことすべてが、実に滑稽に映る……。
とはいえ、本作が描かれたのは1991年。株式や不動産の異様な高騰によって日本が実態のない好景気に沸いた「バブル景気」が弾け飛ぶ直前の物語だ。にわか景気に浮かれ騒ぎ、札びらを切って我が世の春を謳歌していた人々がたくさんいた時代なのだ。そんな風潮を戯画化したキャラクターが、麗次なのだろう。
それゆえ彼は、エピソードのオチでしばしば「スーパー金持ち」から「スーパー貧乏」へと転落している。これは、バブル崩壊から日本が終わりの見えない平成不況へと突入したときの、バブル長者達の行く末を暗示していたとも言えるだろう。
それでも麗次は、平成不況のさなか、親の会社が再び業績を伸ばすと高級車で派出所に乗りつけたり、時価数億円のバイオリンを買いつけたり、はたまた超高層ビルの最上階に高級寿司店を出店したり……と、相当なたくましさを見せている。
度重なるどん底体験が、彼を「白鳥」から何度でも甦るという「不死鳥」へと変えたのだろうか。
それでは次のページから、勘違い系小金持ち・白鳥麗次の暴走をお楽しみください!!



















