イデオロギーより現実に即した正しい政策
1980年代、ニュージーランド経済は深刻な不況に喘いでいた。その時政権を握ったのは、伝統的に「大きな政府」を志向するはずの左派・労働党だった。ところが、彼らが断行したのは、徹底的な「自由主義的改革」だったのだ。
規制緩和、国営企業の民営化、補助金の撤廃、そして減税。
通常なら保守や右派が掲げるような政策を、左派政権が次々と実行していった。既得権益を打破し、市場の競争を促すことで、経済は見事に蘇った。これは「ロジャーノミクス」と呼ばれ、政治学や経済学の教科書にも載るほどの成功例として知られている。
この事例が教えてくれるのは、「政党のラベルや過去のイデオロギーよりも、現実に即した正しい政策を実行することの方が重要だ」という真実だ。
もし、立憲公明党がこのニュージーランドの事例に学ぶなら、日本にも大きなチャンスが訪れる。立憲民主党が持つ情熱と、公明党が証明した「減税を実現する突破力」。そこに、福祉バラマキではない視点が加われば、自民党では成し得なかったリベラルな改革が可能になるかもしれない。
2026年の選挙は、単なる政党同士の陣取り合戦ではない。日本の政治が、古い対立軸を超えて、新しい段階へ進めるかどうかの試金石となる。
立憲と公明党の合流は、確かに選挙目当ての側面を否定できない。混ざり合わない支持層を抱えたままの船出は、多くの困難を伴うだろう。また、冒頭で述べたように、彼らが自称する「中道」が、単なるリベラルの隠れ蓑に過ぎないリスクもある。
だからこそ、政局の騒がしさに惑わされず、冷静な目で判断を下すことが、私たち有権者の責任である。政治家たちが「なぜ」動いたのかを知った上で、私たちは「なぜ」その一票を投じるのか。自問自答しながら、日本の未来を選び取りたい。
文/小倉健一













