公明党の切実事情、立憲の抱える弱さ
長年、与党として政策決定に関わってきた公明党にとって、権力の座から離れることは組織の弱体化を意味する。自民党と決別した以上、単独で野党に留まっていては、実現したい政策を通す力が失われてしまう。
自民党とはこれ以上歩めない。しかし、孤立は避けたい。生き残るためには、新たなパートナーが必要不可欠だった。立憲民主党との接近は、組織を守るための判断の結果といえる。
3つ目の理由は、立憲民主党の抱える弱さだ。
野党第一党とはいえ、単独で過半数を取る力は現状ではない。支持率は伸び悩み、無党派層の心をつかみきれていないのが実情だ。野田佳彦代表が「一番親和性のある政治勢力」として公明党に秋波を送った背景には、なりふり構っていられない焦りが見え隠れする。
たとえ一部から「野合(やごう=理念なき結合)」と批判されようとも、政権交代を実現するためには手段を選んでいられない。公明党の組織力は、立憲民主党の足腰の弱さを補うための最強の補強材となる。
ただし、両党の上層部が合意しても、支持者レベルで簡単に融合するとは限らない。
現にSNS上では、両党の連携に否定的な意見も一定数観測されており、支持層の温度差が存在することはうかがえる。
また、宗教団体や各種支援団体と政党の関係は、選挙や地域、候補者ごとに異なる。
特定団体が常に特定政党を一貫して支援するとは限らず、支持や距離の取り方は流動的である。
そのため、合流によって「票が単純に足し算される」と考えるのは、現実を過度に単純化している可能性があるばかりか、むしろ、分離しようとする力が組織を内側から壊すリスクさえあるのだ。
公明党という組織が果たしてきた役割
公明党はしばしば現実主義的な調整役を果たしてきたと評価される。
たとえば2015年の安保法制では、連立内で限定的な集団的自衛権の行使を認めつつも、「専守防衛」や行使要件の厳格化を強く主張し、制度設計に影響を与えたとされている。
また、近年の税制改正では、所得税・住民税の定額減税などが導入され、その過程で公明党が減税を主張してきたことも事実である。
こうした公明党の胆力は、今の野党に最も必要な武器といえると、筆者は強調したい。
では、この公明党の現実主義が立憲民主党と合わさることで、成功する道はあるのだろうか。世界に目を向ければ、意外なヒントが見つかる。ニュージーランドの事例だ。













