(4)本質を言葉にする

Dさん(社会人2年目) 自分の意志を実現しようという思いを持っていることが「自立心」があるということで、実際にその意志を実現できていれば「自立」していると言えるんじゃないでしょうか。

全員 なるほど!

苫野 いいですね。だんだん言葉がテーブルの上にかたどられてきた感じがするぞ。最後にもう一歩、言葉にして改めて表現することはできないかな。的の中心を射抜くような言葉にできればと思うんですが。

Bさん(中2) 「自分の意志を実現しようとする力を持っていること」はどうですか?

全員 おお!

苫野 それは言えてる気がする!「力」っていいね。経済的な力はその一つと言えそうですね。

Aさん(高1) 納得です。真ん中を射抜けた感じ。

苫野 うん、いい本質観取ができた気がしますね。「自立とは、自分の意志を実現しようとする力を持っていることである」。すごい。この短時間で、よくここまで言葉にできたねぇ。

写真はイメージです 写真/Shutterstock
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(5)最初の問題意識や、途中で生まれてきた疑問点に答える

苫野 最後に、最初の問題意識や、途中で生まれてきた疑問点に答えられるか試してみましょうか。

Aさん(高1) どうすれば自立できるのか、はっきり見えた気がします。まずは自分の意志を持つこと。だから、自分は何を意志するのかを、改めて考えたいと思いました。

Bさん(中2) そのために、どんな力が必要なのかを考えるのも大事ですね。経済的な力だけじゃなくて。

苫野 さっき、「自立とは依存先を増やすこと」って言ったけど、考えたらこれも、自分の意志を実現するための力の一つですね。たくさんの依存先が、自分の意志を実現するための力になるってことなんですね。

Cさん(大1) 「自立」と「自律」の違いや関係も見えた気がします。「自律」は自分で決めた規範に従うこと。これは「自立」の一つの条件と言えるのかなと。

Dさん(社会人2年目) 自立とは、自分の意志を実現する力を持つことである。そして自律は、その力の一つである、という感じですね。

苫野 いや〜本当にいい本質観取ができました。みなさん今日はありがとうございました。ご観覧いただいたみなさんも、ありがとうございました。

全員 ありがとうございました。

本質観取の教科書 みんなの納得を生み出す対話
苫野 一徳、岩内 章太郎、稲垣 みどり
本質観取の教科書 みんなの納得を生み出す対話
2025年11月17日
1,056円(税込)
新書判/256ページ
ISBN: 978-4-08-721389-8

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