藤田文武共同代表「無理な理由を並べ立てるのはどうなのか」と批判するも

自民・維新の両党が成立を目指す定数削減法案は、衆院議員定数の1割を目標に削減するもの。ただ、削減の具体的な内容については、与野党参加の協議会で検討する。1年以内に結論が出なければ、「小選挙区25、比例20」を自動的に削減する規定も盛り込むという。

国会議事堂(PhotoAC)
国会議事堂(PhotoAC)
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「ただ、国民がどれだけの恩恵を受けるのは不透明です。政治家自身が“身を切る”というイメージ頼りで、ポピュリズム的だという批判もあります。そもそも、日本はOECD加盟国の中で、100万人あたりの議員定数が下から3番目と、議員の数は決して多いといえない。

一方で、諸外国と比べても議員給与の水準は高いとされ、チームみらいの安野貴博党首(35)は『(同じコストカットなら)1割の議員給料削減などのやり方もあるはず』と指摘しています」(全国紙政治部記者)

チームみらいの安野貴博党首(写真/村上庄吾)
チームみらいの安野貴博党首(写真/村上庄吾)

加えて、定数削減が、多様な意見の反映を妨げるという指摘も根強い。

こうした中で、公明党も斉藤鉄夫代表は、「結論が出なければ自動削減」という手法をめぐり、「あまりに乱暴なやり方だ。民主主義の手続きを否定するやり方だ」と激しく反発。立憲民主党もからも、「議員定数削減よりも、企業・団体献金の見直し法案を優先させるべき」との主張が出ている。

「臨時国会の会期末が12月17日に迫り、時間がない中で、議員定数の削減という重大なトピックに一定の結論をつけようとすること自体にも、異論が出ています。自民党の岩屋毅前外相(68)も『拙速で乱暴なやり方だ』と苦言を呈した。

岩屋毅氏(本人Facebookより)
岩屋毅氏(本人Facebookより)

定数削減法案を審議する衆院政治改革特別委員会の委員長ポストは立憲民主党が握っており、審議を与党ペースで進められるかどうかは不透明な面もある。さらに、野党が多数を握る参院で審議が長引く可能性もあり、先行きには不安感も漂います」(同前)

それでも、維新の藤田文武共同代表(44)は12月3日、定数削減をめぐる野党側の反対論について、「無理な理由を並べ立てるのはどうなのか」と批判。翌4日には、参政党の神谷宗幣代表(48)と会談し、衆院定数削減法案への協力を要請した。

12月4日、日本維新の会・藤田文武共同代表と参政党・神谷宗幣代表の会談の様子(日本維新の会Xより)
12月4日、日本維新の会・藤田文武共同代表と参政党・神谷宗幣代表の会談の様子(日本維新の会Xより)