またも批判「もはや間違い探しを提供されてる?」

5月初旬、スタンドのスイーツは増え、クロテッドクリームも英国ロダス社のものをまるごと提供。ジャムも陶器に移された。紅茶は紙コップを脱し、テーブルにはフレンチプレス(紅茶を抽出する器具)と空のマグカップ。客が自分でカップに注ぐスタイルになっていた。

進化したアフタヌーンティー(画像/のりさん@nori_mom提供)
進化したアフタヌーンティー(画像/のりさん@nori_mom提供)

が、ここでツッコミが入る。“英国の本場アフタヌーンティー”にもかかわらず、“フレンチプレス”の紅茶なのだ。しかも、カップはティーカップではなくコーヒーカップ。

天然なのか、高度なジョークなのか、SNSでは「もはや間違い探しを提供されてる?」「イギリスでも普段飲む用はもちろんティーバッグにマグカップなんだけど、万博で他国に文化を紹介するときには、さすがになぁという感じ」といった声があがることになった。

実際に体験した人に、当時のことを振り返ってもらった。

「フレンチプレスの紅茶は、正直あまり印象に残ってなくて、味も普通でした。フードもそこまで美味しいとは思わなかったですが、別で注文したフィッシュアンドチップスとペンネは美味しかったです。ボリュームはあって、2人でシェアしてちょうど良いくらいでしたね。5000円は万博価格として妥当かな、という印象でした」

なにはともあれ、英国を代表するクオリティーとは言い難いが、“万博の中で食べられる”と考えれば、値段相応と感じられる程度にはなってきたようだ。

こうして批判は徐々に収まってきたものの、英国館はここからさらに改良を重ね、6月頃からついに“本気”を見せ始める。

なんと、イギリスの老舗陶器メーカー「バーレイ」のティーセットの使用を開始。バーレイのカップ&ソーサーとティーポット。スタンドも、木製2段から、バーレイのプレートを重ねた3段タワー仕様で、青い小花模様の皿にスイーツがぎっしり並ぶ。

華やかになったアフタヌーンティーの完成形(画像/やうっぷさん@yauppu提供、以下同)
華やかになったアフタヌーンティーの完成形(画像/やうっぷさん@yauppu提供、以下同)

体験した女性はこう振り返る。

「見た目がとても豪華で、視覚的にも満足度が高かったです。スイーツやセイボリーのお味も申し分なく、イギリス名物のビクトリアスポンジケーキを思わせる小さなケーキや、アフタヌーンティーには付き物のキュウリのサンドイッチなど、『イギリスの伝統の一端を楽しんでいる』という実感が得られる構成になっていると感じました」