「日本の野球の源流は何か?」は知っておいてほしい

元永 みなさんの証言に共通する長嶋さんのイメージは、明るい、前向き、元気というポジティブなものですね。

玉袋 能天気に思えるような、底抜けのエピソードばかりだもんな。それがまたいい!

元永 長嶋さんの近くにいるだけで元気になると、みなさんが言っていました。この本を読んだ60代~80代の方には「俺の見た長嶋はもっとすごかったんだよ」と言ってほしい。

「長嶋茂雄っていう野球選手がいたことを忘れてもらっちゃ困るよね」【対談 芸人・玉袋筋太郎×スポーツライター・元永知宏】_3

玉袋 「お前は見てないだろうけど、もっとすごかったよ」という話をもっと聞きたいな。

この本を読んでいる時にちょうどワールドシリーズが行われていたんだよね。

大谷翔平もとんでもない活躍をしたし、山本由伸は本当にすごかった。だけど、長嶋さんがいなければ彼らがこうしてメジャーリーグでプレーすることはなかったかもしれない。

元永 長嶋さんがプロ野球を国民的な娯楽につくりあげたから、多くの名選手が生まれた。野茂英雄さんがアメリカ中を席巻し、イチローさん、松井秀喜さんが続いた。そういう歴史があります。

玉袋 親父世代の人たちは「長嶋がすごかった! 王もすごかった!」と言う。だけど、イチローや大谷が出てきた。これからもいい選手が生まれるはずだよ。

上書きはされちゃうんだけど、それは時代が動いているということ。でも「日本の野球の源流は何か?」は知っておいてほしい。

元永 今の現役の選手たちは長嶋さんのプレーを見たことはないでしょう。巨人の監督だったのも、24年も前のことですから。

玉袋 〝血中長嶋濃度〟がゼロの選手やファンがいるのは仕方がないけど、長嶋茂雄という野球選手がいたことを忘れてもらっちゃ困るよね。

元永 日本の野球の歴史と合わせて、長嶋さんのことを理解してほしいですね。

玉袋 そう。日本人がどんどんメジャーリーグに行く今だからこそ、長嶋さんのことを学び直してほしい。新しい発見がきっとあるはずだから。

「長嶋茂雄っていう野球選手がいたことを忘れてもらっちゃ困るよね」【対談 芸人・玉袋筋太郎×スポーツライター・元永知宏】_4
すべての画像を見る

取材・文/週プレNEWS編集部 写真/本田雄士

長嶋茂雄が見たかった。
元永 知宏
長嶋茂雄が見たかった。
2025/11/21
2200円(税込)
288ページ
ISBN: 978-4087902198
2024年8月~2025年9月まで「週プレNEWS」にて配信していた人気連載の単行本化。 昭和43年(1968年)生まれの著者・元永氏は長嶋氏の立教大学野球部の後輩にもあたるが、元永氏にとって長嶋氏は「監督」「文化人」であり、 オンタイムでそのプレーを観た記憶のない伝説の存在だった。 “4番・サード長嶋茂雄の凄さとは何だったのか?“その記憶を掘り起こす旅が始まった。 東京六大学リーグの2年先輩である御年92歳の佐々木信也氏・土井淳氏から、 V9巨人で共に闘った高田繁氏・黒江透修氏のチームメイトたち。 日本シリーズで激突した常勝・阪急の中心選手、長池徳士氏・福本豊氏に、 セ・リーグで何度も対戦した捕手・田淵幸一氏にヤクルトのエース・松岡弘氏、 そして、長嶋茂雄に憧れ続けた男・中畑清氏ら長嶋茂雄をとりまく人々の多角的な証言より、その強さと魅力の真実が浮き彫りとなる。 昭和を彩ったヒーローが星となった昭和100年に贈る、 永久保存版“長嶋茂雄の教科書”が完成! 【目次】 第1章 覚醒前 立教大学時代 第2章 スター誕生とV9時代 第3章 長嶋と戦ったセ・リーグのライバル 第4章 パ・リーグ王者が見たON 第5章 メジャーリーグと日米野球 第6章 長嶋は何がすごかったのか 第7章 長嶋茂雄になりたかった男――中畑清
amazon