裁判長が「再犯が強く危惧されると言わざるをえない」

谷本容疑者は大阪府豊中市の中学を卒業しているが、神戸市内に親戚がおり、2022年まで約10年間勤務したのも神戸市内の建築会社だった。

そして♯2で報じたように、同年5月、面識のない女性にストーカーした挙句、同市中央区のマンションに押し入って首を絞め県警に殺人未遂容疑で逮捕されている。 

捜査関係者が言う。 

移送される谷本容疑者(共同通信社)
移送される谷本容疑者(共同通信社)
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「谷本容疑者は片山さんを『知らない人です』と供述しており、これも3年前のケースと似ています。3年前の事件では路上で見かけた女性に一方的に好意を抱き、5ヶ月間にわたって自宅付近をうろついたり動画を盗撮するストーカー行為の末、マンションの女性の部屋に侵入して約1時間居座り、好意を伝えたが拒絶されて逆ギレして首を絞めた。

しかし、調べで殺意を否認したことで公判維持が難しいと判断したのか、神戸地検が起訴段階で法定刑の軽い傷害罪に切り替えたことで実刑を免れた可能性が高い。実際に神戸地裁は傷害の様態を『必死に逃げようとする被害者の首を強く絞めるなど危険なもので、被害者は死の恐怖に直面していた』と認定した。

さらに犯行翌日に謝罪しようと被害者宅を訪れようとしたことなど、被害者の心情を理解しない思考の歪みを指摘。猶予刑を言い渡した裁判長が『再犯が強く危惧されると言わざるをえない』と言及したほどでした」(捜査関係者)

谷本容疑者は東京で運送会社に就職して更生の場を得ながら、再び神戸に舞い戻り、犯行に及んだことになる。