人生を防犯と市民の安全にささげてきた人の子どもが… 

凄惨な事件から8月4日で1週間が経過した。8月2日、3日には事件現場周辺で、以前から予定されていた「水戸黄門まつり」が開催された。

華やかな提灯行列や山車巡業を多くの人々が見学に訪れる夏の風物詩の舞台裏で、茨城県警は模倣犯が出ないように約80人の警察官を動員し警戒を強めていたという。

6人の通行人を次々と襲い、市民に恐怖を植え付けた塩原容疑者。皮肉なことにその男の父親は警察署長や県警本部の課長を務めたほどの警察幹部で人格者だった――。

「すでに亡くなっているのですが、署長時代は薬物乱用防止のキャンペーンをはじめ少年健全育成、非行防止に積極的に取り組んできた。

2007年に退職してからも、地元笠間市の自警団の会長を務め、高齢者が特殊詐欺に遭わないよう積極的に地域パトロールをし、声かけをおこなっていた。

2016年ごろ亡くなったのですが、人生を防犯と市民の安全に捧げてきた人の子どもが事件を起こすのはあまりにも切ない」(地元紙記者)

また、一部報道によると塩原容疑者の母親は塾を経営しており、親族には県教育委員会の幹部だった者もいた。

塩原容疑者(本人SNSより)
塩原容疑者(本人SNSより)
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“エリート一家”の長男として育った塩原容疑者は、中学、高校とそれぞれ名のある「進学校」へと進んでいる。

「中学では国立の附属中学、高校も“名門”と呼ばれる県立高校に進んだものの、高校は2回留年した後に中退、その後通信制高校に通った後、茨城大学に進んで5年間で卒業したそうです。

2006年の4月から地元のJAに新卒入社、2022年12月に自己都合で退職しています。職場では頭がいいことで知られていましたが、本人はコミュニケーションを取るのは上手ではなかった印象があります」(JA時代の上司)