2022年に23歳女性の首を絞め殺人未遂容疑で逮捕されていた

兵庫県警は22日深夜の会見で、葺合署に身柄を移送された谷本容疑者が「殺意を持っていたかはわかりませんが、ナイフで腹部の辺りを1回か2回くらい刺したことに間違いありません」と供述し、容疑を一部否認していると明らかにした。

事件は20日午後7時20分ごろ発生。神戸市役所から約300m離れた9階建てマンションの住人から「エレベーター内で男が女性を羽交い締めにしている」と110番が入り、駆け付けた警察官が6階のエレベーター前でこの階に住む損害保険会社社員・片山恵さん(24)が倒れているのを発見した。

片山さんには、一部は肺に達する複数の刺し傷や、抵抗時にできる防御創があり、搬送後に死亡が確認された。死因は失血死だった。

「男は階段で下へ降り、北へ走って行ったのが目撃者の話や防犯カメラでわかりました。そばの駐車場で血の付いた刃物も見つかっています」(社会部記者)

兵庫県警本部(撮影/集英社オンライン)
兵庫県警本部(撮影/集英社オンライン)
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捜査本部は防犯カメラの映像から午後8時台に新神戸駅で男が新幹線に乗ったことを確認し、21日には男が谷本容疑者であることをつかんだ。そして谷本容疑者が22日にJR奥多摩駅で降りたことがわかり、警視庁の捜査員が付近で同容疑者を発見し逮捕した。谷本容疑者は抵抗して暴れたという。

捜査本部は谷本容疑者と片山さんの関係は把握できていないとしているが、片山さんは面識もなく狙われた可能性がある。

「谷本容疑者はJR三ノ宮駅付近から約10分間片山さんを追跡し、片山さんがオートロックの玄関を入る時にすぐ後ろについて一緒に入る“とも連れ”という手口で侵入し、同じエレベーターに乗り込んでいます。

マンション玄関の防犯カメラの映像では片山さんは谷本容疑者の追跡に気づいていなかったようだと捜査本部はみています」(社会部記者)

注目されるのは谷本容疑者が3年前にも似たような事件を起こしていることだ。

「2022年5月に当時、神戸市東灘区に住んでいた谷本容疑者は殺人未遂容疑で逮捕されています。今回の現場に近い中央区のマンションで当時23歳の女性が帰宅し、ドアを開けた瞬間に押し入り、女性の首を絞めて殺害しようとしたとの容疑で、ストーカー規制法違反容疑で再逮捕もされています。

谷本容疑者はその前から一方的に女性に付きまとい、首を絞めた後、1時間にわたって部屋に居座って自分が女性を好きだと言ったり『警察に言わないで』と言ったりしています。女性は幸い軽傷ですみました」(在阪記者)

逮捕された谷本容疑者(写真/共同通信社)
逮捕された谷本容疑者(写真/共同通信社)