弁護士からは「谷本さんやる気あるんですか?」

♯1で谷本容疑者採用の経緯などを証言してくれた運送会社社長が、再び取材に応じてくれた。

「昨日、社員の1人に『面接の時に犯歴はないと言ってたそうですけど、他の社員には傷害罪で捕まったことがあると言ってたらしいですよ。社長はそれご存知でしたか?』と言われました。どこかで悪ぶりたいところはあったんじゃないですかね。

ただ、仕事に関しては社内外問わず『真面目で仕事ができる』という評判で、後輩の手助けも率先して行なうような人物ですからね。彼はがっしりとはしてましたけど、身長は170センチもない。

それでも歩き方はガニ股で肩で風を切るような感じだったから、真面目だけど舐められないようにという意識があったのかもしれないですね」

取材に応じる運送会社社長(撮影/集英社オンライン)
取材に応じる運送会社社長(撮影/集英社オンライン)

この運送会社で谷本容疑者は日曜日と平日のどこか1日という週休2日で働き、社員寮住まいだった。社長がこう続けた。

「普段は正直、女性を物色したりなんていう時間はなかったと思います。それが8月17日から21日までの夏季休暇で土地勘のある神戸に戻って彼のリミッターが外れてしまったのかなと思いました。

女性と関わっているところを見たこともないので、女性にコンプレックスがあったのかもしれないですね。正月休みの際は、お世話になっていた叔母さんが骨折したからその面倒を見ていたと話していたこともありました」

寮生活で不審な点はなかったのだろうか。

「寮はクローゼットとコンロとベッドがついた4畳半の個室で、風呂とトイレは共用です。家賃は3.5万円でした。部屋の中には入っていませんが、彼が今回無断欠勤をした時に鍵を開けて中を確認した時には、部屋に洗濯物がかかっていて、ベッドの布団がめくれている感じでした。

ペットボトルや服の脱ぎ散らかしはあったけど、アニメとかアイドルのグッズなどは全くなく、いかにも男の一人暮らしの部屋という感じでしたよ。他の従業員が彼にテレビを譲ったそうですが、特に何か問題があったとかは聞いていないですよ」

また、借りていた借金についても改めて聞いた。

「入社から半年ほど経った2023年の暮れごろから5万円とか10万円前借りするようになったんです。そのとき彼に300万円ほど借金があると知って、顧問弁護士を紹介した上で自己破産をすることに決めたたんです。。ただ、あれからもう1年半ほど経ちますが、何も進展はなく弁護士からは『谷本さんやる気あるんですか?』と聞かれたこともありますよ。

破産手続きに必要な資料をいつまで経っても提出しないと言っていました。私が30万円ほど建て替えたのですが、すでに谷本と弁護士の間の話になっていますから、私が何か口を出したりはできない状況です」

“谷やん”の愛称で呼ばれ、一見、生真面目で仕事ぶりも悪くなかったが、再び3年前と同様の事件をおこした谷本容疑者。せめて被害者の魂に向き合うような司法の裁きを望むしかない。

24歳女性が殺害された現場のマンション(撮影/集英社オンライン)
24歳女性が殺害された現場のマンション(撮影/集英社オンライン)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班