離婚の意向を伝えるたびに無理やりに行為を迫られ…
中部地方在住のアイカさん(35)は、20代後半から年子で5人を出産。2歳になる末っ子を産んだのち、すぐに離活(離婚準備)を始め、離婚が成立して3ヶ月が経った。
現在は、近所に住む両親の手を借りながら暮らしている。その表情は清々しい。だが、元夫について尋ねると笑顔が消えた。
「結婚当初、私は男性社会が色濃く残る某大手企業に勤めていました。2人目の産休明けが迫った頃、嫉妬深い元夫は私に『お腹に子どもがいれば他の男は見向きもしないだろ』と言い放ちました。
何度お願いしても、性行為で避妊具はつけてくれず、結局仕事に戻ってすぐに3人目を妊娠。その子を出産するときに退職を余儀なくされました。
離婚の意向を伝えるたびに無理やりに行為を迫られ、涙を流すこともありました。でも、段々それが日常になり、異常さに気づけなくなるんです。
たまたま友人に相談したところ、『それ普通じゃないよ。夫婦間でも無理やりされるのはDVだよ』と言われハッとしました」
避妊具の拒否、無理やりの性交渉…それだけではすまないケースもある。多産DVに悩み、現在まさに離活中の関東在住、4人の子を持つレイコさん(38)は言う。
「拒絶すると、子どものところへ行き、手をあげるんです。止めても『夫婦が性行為をするのは当たり前。拒否するお前が悪い』とイライラを子どもにぶつける。最近では、子どもたちも夫を怖がり距離を置いています。
子どもを守るために、産婦人科で密かにピルを処方してもらい、なんとか妊娠を回避しながら性交渉に応じるようにしています」
離婚の話をするときにも「細心の注意が必要だ」と、レイコさんは語気を強める。
「数年前に、多産DVをしていた男性が、妻である女性に離婚を切り出され、逆上し妻子に手をかけたという隣町で起きた事件のことを聞きました。うちは、第三者に入ってもらう予定でいますが、同様の事件に発展するのではないかという恐怖があります。
多産DVという言葉が定着したことで、同様の経験を発信する人も増えました。こんな苦しみから早く脱するために、SNSやネットで情報を集めたりしています」