「当時付き合っていた女性がいて、その人は殺してない…」
取り調べや公判では金銭への執着をうかがわせる言動が目立ったとされる白石死刑囚。以前は風俗で働く女性をスカウトする「キャッチ」で生計を立てていたという経歴も含め、小野さんの見た白石死刑囚はどんな人物だったのか。
「僕は面会する際、彼に謝礼を支払ってました。それは原稿にも書いてあるんですが。当時はある出版社から謝礼を出してもらって、本人にもそれを伝えて了承してもらいました。不思議だったのは、彼は一度取材を受けると約束したら必ず守るというか、そういう生真面目さはありましたね。
あと、以前に有名なキャッチグループに所属していたようで、彼は報復を恐れていたのか、逮捕後もそのグループに関してはあまり話したがらなかったですね。その一方で犯行の動機などに関しては、まだ詳しく表に出ていない段階からかなり細かな内容も僕には話してくれたんですよ。こっちが『なんでそんなことまで喋るの』って驚くぐらい」
その犯行動機とはどういうものだったのか?
「最初はお金でしたね。とにかく、最初は『ヒモ』になろうと思って女性に部屋を借りてもらったけど、相手がそこまでお金を持っていないとわかると殺害した。だから、当初の目的は本当にお金だったんですよ。でも、だんだんと性的な興奮の方に引っ張られていったというか。殺すことへの興奮、それに伴う性的な要素ですね。後半になると目的がどんどん変わっていって、性的な目的が主になっていった。後半になると殺害後の性行為もあったようです」
身勝手極まりないが、そんな男でも守りたい存在があったという。
「当時付き合っていた女性がいて、その人は殺してないし、僕にもその彼女のことはあまり書かないでくれとは言っていました。
そのいっぽうで『橋本環奈や深田恭子の写真集を差し入れてくれ』という脂ぎった要求もしてきたこともあります。実際に差し入れしましたけど、途中から急に向こうが面会を拒否するようになって、それきりですよ」