都議選、参院選、「疲労困ぱい」の石破政権との協力は…国民民主の行方  

山尾氏を“切り”、擁立発表以来、続いていたピンチの局面の打開に舵を切った国民民主。今後、まずは6月22日投開票の東京都議選が参院選を占う試金石となる。

「都議選で、国民民主は小池百合子都知事が特別顧問を務める『都民ファーストの会』と協力。お互いに候補者をすみ分けて支援し合っているところもあり、小池氏の力も借りて、都議選で結果を残せるかに注目が集まっています。

山尾氏の擁立報道が出た直後には、国民民主の予想獲得議席数が減ったという情勢調査もありましたが、今回の公認取り消しが、当落線上ギリギリの争いでプラスに働くか、注目されます」(全国紙政治部記者)

永田町ではさっそく「参院選では『山尾氏が公認候補なら比例で国民民主に投票したくない』と言っていた有権者が国民民主に戻っていくだろう」(立憲議員)とささやかれる。仮にそうなれば参院選後は、ふたたび少数与党の石破政権が国民民主を頼る場面もありそうだ。

「立憲が内閣不信任案の提出を見送る方向のため、永田町には衆院解散への警戒感はほとんどありません。参院選で自公が過半数を確保できても、衆院で少数与党の状況、国民民主がキャスティングボートを握っていることには変わりないでしょう。引き続き石破政権は政策ごとに『頼みの綱』の国民民主に協力を求めることになりそうです」(同)

石破総理の頼みの綱は国民民主(本人SNSより)
石破総理の頼みの綱は国民民主(本人SNSより)
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ただ、そんな政策ごとの連携にも限界が見えつつある。

「最近、石破首相が紙を読み上げてあいさつする会合があったのですが、同じ文を2回読んで、本人もそれに気づいていないという出来事がありました。少数与党のかじ取りに疲れ切っているのでは。

岸田文雄前首相も連立の枠組みの見直しに言及し始めています。国民民主が『山尾ショック』から回復して参院の議席数を伸ばせば、衆院で過半数を確保できていない石破政権がこれまで以上に国民民主を取り込もうとしていくことも考えられます」(自民関係者)

都議選と参院選に向け、山尾氏を“切って”党勢を回復させることに必死の国民民主。昨年の衆院選後の勢いを取り戻し、有権者からの信頼を獲得できるか。そして、その後に歩む道は……。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班