国民民主、支持率急落の原因は参院選の候補者
朝日新聞社が17日から18日にかけて行なった世論調査では、国民民主党の政党支持率が8%となり、前回(4月)の調査から4%も下落した。これには党首の玉木雄一郎代表も危機感を募らせている。
玉木代表は19日の囲み取材で記者団の質問に対して、参院選比例区の候補予定者について批判の声が上がっていると認識していることを明らかにし、「批判は受け止めている。(候補擁立の)意義や理由をよりきちんと説明していくことが必要」と述べた。
支持率が落ちている原因は、参院選の候補者の人選だ。国民民主党は14日、参院選比例代表の公認候補として、足立康史元衆院議員(59)、山尾(菅野)志桜里元衆院議員(50)、須藤元気元参院議員(47)、薬師寺道代元参院議員(61)の擁立を正式決定した。
なかでも山尾元衆院議員には批判が止むことがない。大手紙の政治部記者が説明する。
「2017年に週刊文春が山尾氏と当時既婚者だった倉持麟太郎弁護士との不倫を報じた。その後、倉持弁護士の妻が自死。また、JR全線を無料で利用できる公務用の議員パス(特殊乗車券)を私的に使っていたことも判明。どちらの問題も明確に公の場で説明をしていません。説明責任から逃れている山尾氏に対して、SNS上では批判が相次いでいるワケです」
山尾氏は2016年、民進党時代に待機児童問題をめぐって国会で匿名ブログ「保育園落ちた、日本死ね」を取り上げたことで、注目を浴びた。
その後も当時の安倍政権に対して待機児童問題について厳しく追及し、ママ議員としても人気を獲得。「保育園落ちた、日本死ね」は、ユーキャン新語・流行語大賞のトップテンにも選ばれた。
山尾氏について、当時のことを知る立憲民主党の関係者はこう話す。
「立憲民主党内部でもモノをハキハキ言う性格。また当時の民進党代表である前原誠司さんら上の人にも好かれており、当時民進党の代表選挙で幹事長に山尾さんを推薦するまで調整が進められていた」
だが、その期待はすぐに裏切られることに……。
「週刊文春の報道を受けて、前原さんらは幹事長案をすぐ白紙に戻した。また民進党内でも蓮舫さんが不倫騒動をとにかく嫌いなことから、山尾氏を徹底的に批判。党内の居場所もなくなり、文春報道が出た翌日に離党届を党に提出したのです。
提出時には黒のスーツに身を包み会見をしたものの、不倫報道は否定し、記者からの質問は一切受け付けなかった。その時間わずか6分で、とても会見とは言えないものでした」(前出の立憲民主党・関係者)
その直後に行なわれた2017年の衆院選挙では愛知7区から無所属で出馬。民進党は当時、山尾氏に推薦を出さなかったものの、同区では対抗馬を立てなかった。その結果、自民党の鈴木淳司氏を834票差で破り、当選した。
同年に山尾氏は、民進党から分裂した立憲民主党に入党。その3年後の2020年、国民民主党へくら替えしたのである。