なぜ転売ヤーはスイッチ2を複数購入できるのか
任天堂は今回のスイッチ2発売にあたり、転売対策のため、有料会員サービスに一定期間加入していることや、ゲームのプレイ時間など細かな条件を設け、購入の抽選に参加できる人を限定してきた。
それでも、スイッチ2の需要は高く、任天堂が4月に行った第1回抽選販売では日本だけでも約220万人が応募した。それでもなぜ転売ヤーはスイッチ2を複数購入できるのか。関東を中心に転売ヤーとして活動する30代男性が語る。
「任天堂の厳しい購入条件は確かに有効的。いっぽうで、狙い目にされているのは家電量販店。家電量販店は購入履歴の有無や、電話番号によるSMS確認などをするが、10年以上転売行為を行ない続けるプロ集団は簡単にクリアできてしまう」
男性によれば、“プロ”の転売ヤーは家電量販店やアマゾンなどの通販サイトのアカウントを1000から多いときは万単位まで保有しているという。それぞれ長年使い続けてきたアカウントで、購入履歴を作るためにあえて安い電池を購入するなど、“対策”に日々乗り出しているという。
「複数名義も余裕で、店舗受取の時に本人確認がされるが、偽造の身分証を用意して乗り切ったりもする。5〜6人でワゴン車に乗り1日で数十店舗回ることがある。それをメルカリにも流すが、中国人バイヤーにも渡したりしている」
転売がなくならない背景について男性はこう語る。
「身分確認とかも免許証のICチップとかを読み込むわけではないので、ザルとも言える。任天堂のようにもっと厳しく条件をつけたほうがいいが、それでもプロの転売ヤーは任天堂の条件も軽く超えて(クリアして)しまうとも聞く。少しでも減らすためには、アカウントもそこまで多く持っていない新しく活動し始めた転売ヤーなどを対象に取り締まりつつ、新しい策を考えた方がいい」
任天堂が本気でも、転売ヤーは“スイッチ”を切らずに全力出品中。各社は転売ヤーを撲滅できるのか。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班