備蓄米の放出で転売ヤーに動き?

市場のコメ不足が続く中、これまでも政府備蓄米の放出は行なわれてきたが、今回のように広く一般向けに、しかも大手小売店の店頭で低価格販売されたのは初めてのケースとなる。

政府の物価高対策の一環として放出された備蓄米は、イオンやイトーヨーカドーなど全国の大手スーパーで取り扱われ、5キロあたり約2000円という価格で販売。通常、5キロで約4200円程度する市販米と比べると半額以下の水準だ。

備蓄米の放出で市場への影響は?(画像/ Shutterstock)
備蓄米の放出で市場への影響は?(画像/ Shutterstock)

販売初日には早朝から買い求める人々が列をなし、一部店舗では即完売となるなど、その人気ぶりが話題となった。

今回の備蓄米の放出で、コメ全体の値段が期待されているが、今のところは目立った効果はそれほど出ていない。

また一方では、この備蓄米の流通開始とほぼ同時期に、メルカリやジモティーなどのフリマアプリや地域掲示板で、「米の出品が急増している」との指摘がSNS上で広がった。

Xでは、以下のような投稿が相次いでいる。

《備蓄米がたくさん出回るようになってメルカリでもたくさん米が出品されてるね。マジで転売ヤーが保管してた米なんか誰が買うんだよ》

《ジモティーで米まつりが始まった》

《ジモティーとかメルカリで急に出品増えてる。転売ヤーが焦って売りに出してる》

こうした声の背景には、個人保管の古米や転売目的の商品が出回っているのではないか、という不信感がある。では、実際に米の出品数は増加しているのだろうか。メルカリは取材に対し、次のようにコメントした。

《米については目立った変化は確認できておりませんが、昨今の流通状況を踏まえて、販売または購入の際には冷静なご対応をお願いする旨の注意喚起を実施しております》

一方、ジモティーからはやや踏み込んだコメントが寄せられた。

《前年よりも傾向として出品数が増えていることは認識しており、昨今の米の出品に関して社会的な関心事と捉えております》

こうした動きを受けて、メルカリ、ヤフオク、Yahoo!フリマ、楽天ラクマ、ジモティーなどの主要サイトでは、相次いで「政府備蓄米の出品禁止」を表明した。