短大と女子大が厳しい状況にさらされている

当時の学長は「大学のブランド力を過信するあまり、時代のニーズに合わせて変革する努力を怠ってきたつけが回っている。変わろうと懸命に努力している」とも話しており、大学は生き残りをかけ変革を模索してきた。

だが2024年度の大学基礎データを見ると、2020年度には合計370人の入学定員に対し1494人いた志願者は、定員をさらに330人に減らした2024年度には304人にまで減少。入学者数は186人にとどまっていた。

大学によると、こども教育学科も2020年度を最後に募集を打ち切り、志願者増には結び付けられなかった。

大学公式Facebookより
大学公式Facebookより

少子化で学生の獲得競争が激しくなる大学業界では4年制大学志向と共学志向が強まっているとされ、短大と女子大が厳しい状況にさらされている。かつては短大や女子大は女性向けの求人や資格獲得に強みがあったが、そのメリットが薄れてきているとの見方がある。

文部科学省の集計では、短大の数はピークだった1996年に598校あったが、2024年には297校と半減。

「短大志望者に多かった保育士や幼稚園教諭になりたいという人が、少子化のために減り、さらに4年制大学進学者への奨学金など経済的支援が最近拡充されていることも4年制大学志向に影響しているでしょう」(全国紙記者)

次に逆風が強いのが女子大だ。

「女子大も1998年度には98校ありましたが、男女共学への転換などで2024年度には73校にまで減りました。しかもこのうち2校は募集を停止しており、25年度にはさらに5校が男女共学に変わりました。

男女共学の大学で入試に『女子枠』を設ける大学が増え、女子大が置かれている環境は厳しさを増しています」(全国紙記者)

写真はイメージです
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