2024年3月から感じ始めた異変
3月31日に開かれた従業員向けの説明会で、高橋社長が従業員全員に対して会社都合での退社を推奨した。同社は、昨年の12月あたりから従業員に対して賃金が十分に払えていないほどの経営危機であったという。
そのうえで、高橋社長から飛び出したのはあまりにも辛辣な言葉だった。
「みなさんにも僕にも少なからず、ミュゼプラチナム全体で売上が上がらなかった原因があるんじゃないですか?」「公務員じゃないので、売上からしか給料って払われないです。そこがなぜかミュゼの方々は理解できてない」
いったい今、従業員たちはどのような思いで日々を過ごしているのだろうか。店舗責任者を務める30代後半の女性が集英社オンラインの取材で胸の内を語った。
「最初の異変を感じたのは2024年の3月ごろ、そこではじめて給与の遅配がありました。その頃ぐらいから経営陣が大きく替わり始めていましたね。ただそのときは、手続きが少し遅れたという説明だけで、給与の遅配についてはそれ以降、11月まではありませんでした」(ミュゼ従業員)
だが現場レベルでは、ほかにも影響が…。従業員の保険証の変更や、「ミュゼプラチナム」という名前の入った玄関マットの廃止、ウォーターサーバーがなくなるといった変化があったという。
また、来店客が使用するタオルやガウンのリネンの洗濯を、それまでは外部のスタッフに任せていたが、従業員がしなければならなくなった。
そして決定的な給与遅配が11月から起き始める。11月、12月に入る予定だった給与は遅れながらも全額支払われたが、1月24日に支給された給与は30パーセントのみ、それ以降はゼロで今も払われていない
店舗従業員の多くはこれを機に、3月末で退職していったという。