「もちろんウチの学校も行きません」豊中市の教員が語る

 「署名の存在は知りませんでしたが、市内の教員のあいだでは『あんなもん行けるかー』という声が多いのは事実です。もちろんウチの学校も行きません。というか行けません。

とはいえ、1年ほど前に招待を受けた段階から『行かない』ことを即答で表明すると、教育委員会から『なぜそんな早い段階から行けないと決めつけるのか?』『行けるように工夫して段取りできないか?』といった指摘が入る恐れがあります。

なので、とりあえず『検討中』にしておいて、開催1カ月前の今年3月に入ってから『行かない』ということを表明しました」(豊中市の中学校教員、以下同)

具体的に行けない理由について、まずは交通事情の問題がある。生徒数の多い学校では、電車で引率するのは現実的ではない。だからといって自分たちでバスの予約がとれない上、万博協会にバスの予約を依頼すると、日付を指定されてしまう可能性があるというのだ。

「学校には車椅子ユーザーの子もいます。会場内のトイレなど施設の設備がどうなっているか不確定要素が多い中で、たくさんの生徒を引率するのは無理があります。そのへんを下見したいと思っても、『開催前には下見ダメ。下見したからには絶対に来い。下見した結果行かへんは許さん』って言われてしまうことを思うと、不参加が妥当な判断だと思います。

まあトイレに関しては、建設費が2億円とのことなので、バリアフリー自体は対応しているとは思いますが……。当初は『多くの学校が招待で行く予定』というニュースを見かけましたが、『ホンマかな?』と周囲の学校の先生たちとも話していました」

昨年5月に大阪府は、府内の学校を対象にした意向調査の途中経過を発表し、約75%が参加を「希望する」と答えていた。

吉村洋文知事が発表した75%という数字のからくり (画像/本人SNSより)
吉村洋文知事が発表した75%という数字のからくり (画像/本人SNSより)

しかしこれは前述のとおり、選択肢が「参加予定」「検討中」の2択しかないうえ、調査を行なった約1900校のうち、その時点までで回答があった約1280校の中の約75%が参加を「希望する」と答えたにすぎない。

未回答が3割以上も占める中で、75%という数字を発表したのは誤解を招くと交野市の山本市長が苦言を呈していた。