「元カレの会社に借りたお金を返しているので財産がない」

そんな「健さん」を苦しめたのは、貧しい暮らし以上に、自身が「借金をしている」という切迫感だったようだ。

「仮に最上さんが本当にお金がなくて、きつい生活をしていたら、健さんもお金が返ってこなかったとしても怒りは覚えていなかったかもしれません。去年の11月19日に最後に会った時も穏やかな様子で、『これから裁判始まるんだよね。これでお金が返ってきたらいいなあ。そうしたらもっといい物を食べられるのに』とニコニコしていました。

健さんは今まで一度も借金をしたことがなかったらしく『借金がなかったら精神的に辛くなかったのにな』とよくこぼしていました」

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高野容疑者は佐藤さんとのトラブルを警察にも相談したり、返金を求めて訴訟をおこしたりもしたが、その流れで意外な「事実」を知ることになったという。

「結局、お金に関しては最上さんが健さんに最初に返した3万円以外は返ってきていません。警察に相談しても解決とはいかず、民事裁判で最上さんに支払命令が出たのにお金は戻ってこないという状況でした。

健さんは『月1万円でも返してくれればそれでいい』と言っていましたが、今年の1月31日に東京地裁立川支部で最上さん立ち合いのもと財産の状況などを確認したら、最上さんは銀行口座に800円しか持っていなかったそうです。

最上さんの『ふわっち』でのプラチナプラスというランクなら、少なくとも月に100万円~200万円くらい稼げていたはずです。実際、彼氏と旅行に行ったり、タワマンでの優雅な暮らしぶりをSNSにあげていたのに、お金がないというのは私も信じられませんでした。

最上さん側の言い分では、SNSであげているタワマンに一緒に住んでる男性は彼氏ではなく元カレだという事でした。最上さんは元カレが社長をしている会社で働いているので、社長と従業員として一緒に暮らしていると主張したそうです。

その元カレの会社に借りたお金を返済したり、何かの病気で入院した際の入院費を滞納していて、それを払っているから最上さんの手元には月3万円しか残らず財産がないということでした。健さんはお金を払いたくないから財産を隠すためにそのような設定にしているとこぼしていました」

高野容疑者と知人とのやりとり
高野容疑者と知人とのやりとり
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八方塞がりの状況に追い込まれた高野容疑者は犯行を決意する。

♯6では最上さんと高野容疑者の事件直前の“やりとり”を詳報する(♯6へ続く)

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班