国民民主と立憲民主のタッグで打ち出す需要喚起策
日銀は利上げを進めているが、これは需要を縮小させて価格を適正なものに下げようというものだ。需要と供給を一致させれば、インフレを抑え込むことができる。しかし、利上げは強制的に需要を縮小させているだけであり、大衆の生活を犠牲にする対策だとも言える。
特効薬は供給の制限を取り払うことだ。国民民主党と立憲民主党が、ガソリンの暫定税率廃止を求めて共闘する姿勢を打ち出した。こうした課税を軽減する施策も、需要を喚起する材料の一つだと言える。
規制緩和を進めて旧来型の供給体制を改めることも必要だ。
政府は3月10日から備蓄米の入札を実施すると発表したが、そこに至るまでの動きはあまりに遅かった。法律で備蓄米がコメ不足に対する備えだと定められていることが背景にあるが、コメの流通過程は昔と比べて複雑化しており、庶民の不足感は政府の楽観的な見方よりも深刻だった。
品薄状態で人びとの生活が圧迫されているのであれば、速やかに放出する運用方法が求められている。帝国データバンクによると、2025年の食品の値上げは累計で1万品目を突破するという。供給制限の撤廃に本腰を入れなければならないタイミングにさしかかっている。
取材・文/不破聡 写真/shutterstock