不本意な非正規労働者の割合は、実は他世代よりも低い 

石破首相は4月19日に、若者支援に力を入れる「たちかわ若者サポートステーション」を視察し、就職氷河期世代を含む人々と対話を行なった。政府として氷河期世代の支援を強化する姿勢を、世間にアピールしている。 

「たちかわ若者サポートステーション」を視察した石破首相(写真左。画像/本人SNSより)
「たちかわ若者サポートステーション」を視察した石破首相(写真左。画像/本人SNSより)
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 就職氷河期世代は、バブル崩壊後の1990年代前半から2000年代はじめにかけて学校を卒業した世代を指す。年齢にすると、30代後半から50代前半だ。1700万人以上いるといわれている。

大卒の求人倍率は1990年の2.77から2000年には0.99に低下、就職率は1997年(調査開始年)の94.5%から91.1%まで落ち込んだ。名のある大学に在籍していても、100を超えるエントリーシートを応募して、面接に進めればいいほうだった。この世代は正社員として働けるだけでも御の字だという意識が強く、やりがい搾取と呼ばれる“ブラック企業”体質を作る温床にもなったといわれている。

氷河期世代は非正規雇用の割合の高さが取り沙汰され、恵まれない世代の象徴的な存在と見られている。しかし、状況は好転した。