なぜスイス移住を決意したのか?
――結婚発表とともに旦那さんとスイス移住されることも明かされました。ズバリ、スイスでは何をされるのでしょうか。
河野ゆかり(以下同) スイスへ行く目的は、大学院での研究です。ただ、結婚を発表した当時は大学院への進学も確定していませんでした。ビザ取得を確実なものにするため、家族帯同ビザを取れるようにと考えて、このタイミングで入籍をすることにしたんです。
夫とは将来的に結婚することを考えていたので、その点に迷いはありませんでしたね。
――だから結婚の発表とスイス行きの発表がほぼ同時に出たのに、スイスで何をするのかについて言及していなかったんですね。
隠していたわけではないんです(笑)。ただ、まだ諸々の準備をしている段階なので、公にするタイミングを逸してしまったというのが本当のところで……。
──スイスの大学院では、どのような学問を学ぶ予定ですか。
今年の9月から、ジュネーブ大学の大学院でパブリックヘルスを専攻します。パブリックヘルスとは、日本語で公衆衛生学と訳されます。
簡単に言うと、地球規模の健康改善について考える学問です。感染症対策、医療へのアクセス向上、健康格差の是正などを指します。近年、グローバルヘルス(国際保健)という概念もよく聞く言葉かなと思います。
――重要な取り組みですね。グローバルヘルスというと、発展途上国の健康改善がすぐに思い浮かびますが、河野さんのご関心を教えてください。
高校生くらいのときは、発展途上国における医療水準の引き上げなどに強い関心がありましたし、現在においても重要なテーマであり続けていると思っています。
ただ、今の私の最も強い関心は、医療政策がどのようなプロセスを経て決定されているのか、という点です。
――関心を抱くきっかけはあったのでしょうか。
私自身、これまでの医療政策が決定されるプロセスについてよく理解できなかったことが根本にあると思います。
医療政策がどうやって決定されたのかを知らないと、国民はその背景もわからずに健康上の不利益を被る可能性も否定できません。スイスにおいては、比較的そのプロセスが明らかになっていると聞いて、ぜひ研究がしたいと思いました。