「越前屋兵介の秘密の巻」(ジャンプ・コミックス第134巻収録)

今回は、京都の名家の娘、磯鷲早矢(いそわし・はや)の母、磯鷲穂之華(いそわし・ほのか)が華麗な弓道の腕前を披露するお話をお届けする。

本作は、江戸時代から代々続く老舗呉服屋の倅だという、両さんの嘘を真に受けた早矢の父、剣之介(いけんのすけ)が、両さんの家を訪ねるべく東京にやって来る「磯鷲一族東京進出の巻」(ジャンプ・コミックス第134巻収録)の続編となる。

剣之介は拳法家の息子たちや妻をともなって現れるが、その妻というのが穂之華だ。
彼女は弓道範士七段にして錦織部流亊(こと)の二代目家元でもあり、いかにも京都の名門の出……といった風格がある。

この美しく凛とした母親は、本作冒頭で弓の技量を披露するのだが、見学していた葛飾署署長や大原部長をメロメロにしてしまう。『こち亀』に登場する「母」は、穂之華のように、しっかりとした意志と強さ、そして美しさを兼ね備えているケースが多いようだ。

なお、穂之華は旧姓を錦織部(にしきおりべ)といい、陰陽師の血筋の家柄の出身である。そのため、娘の早矢には除霊や未来予測など超常の力が受け継がれている。

それでは次のページから、強くて美しいお母さんの姿に見惚れてください!!