「ここは高齢者が多く数年前に孤独死した方もいたので…」

被害にあったのは同区千本中の市立千本小学校の2年生と3年生の児童7人(男6女1)で、男児6人は軽傷だが、小2の女児は顔から血を流すなど重傷を負った。

「この日は4時限目までの短縮授業で、給食を食べ終えた児童が午後1時半ごろ下校しようと正門を出たところに車が突っ込んできた。猛スピードではなくてよろよろと幅寄せするような感じで子供たちを塀に挟んでズルズル引きずっていくように進み、停まった後も、容疑者は車からなかなか降りずに放心状態のように見えたと証言する子たちもいました。

学校からの通報で府警が駆けつけましたが、正確に言うと現場にいた学校支援員の70代の警察OBの方が容疑者を取り押さえて現行犯逮捕して府警に引き渡した。犯行に使われた白いSUV車はレンタカーで、東京在住の容疑者がなぜ大阪まで来て犯行に及んだのか、府警が調べを進めています」(大阪府警担当記者)

犯行直後の現場(写真/共同通信社)
犯行直後の現場(写真/共同通信社)
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全てが嫌になり、500キロ離れた大阪まで出ばって子供たちを轢き殺そうとした矢沢容疑者が住んでいたのは、単身者専用の公団住宅。一帯は古くに開発された市営と公団の大型団地だ。矢沢容疑者と同じ号棟に住む60代の男性は取材にこう語った。

「この団地が出来たのが62年前ですよ。私はこのファミリー向け団地で生まれ育ち、いったんは離れたんですが母の介護もあって10年ほど前にこの単身向け団地に移ってきたんです。私も先ほどラジオで事件を聴いたばかりですが、逮捕された人どころか、20代の男性というのは見たことがない。

ここは高齢者が多く、数年前に孤独死した方もいたので、3年ほど前から1ヶ月に1回安否確認訓練を行なっているほどです。昨年までは理事長もいたんですが、その方が辞めてからは成り手がいなくて、団地で集会などをやることもないんですよ」

矢沢容疑者が住んでいた公団住宅
矢沢容疑者が住んでいた公団住宅