「"クーデター計画"なるものは県人事課も相手にしなかったもの」
立花氏は昨年11月の兵庫県知事選にも立候補した。本人の説明によると、その公示当日の10月31日、当時百条委メンバーだった増山氏と神戸市内のカラオケボックスで会い「音声データ」を提供された。面会は増山氏から求めてきたという。
その音声データは、斎藤知事の疑惑を調べる県議会調査特別委員会(百条委)で10月25日に行なわれた非公開の片山安孝元副知事の証人尋問の音声を、隠れて録音したものだった。
さらに翌11月1日にはホテルオークラ神戸で、百条委副委員長を務めていた岸口実県議と仲介役のX氏と会い、「百条委で疑惑追及の先頭に立った竹内英明元県議らは斎藤氏をハメた“黒幕”だ」などと書かれた怪文書を受け取った。
「音声データには、尋問で片山元副知事が、斎藤知事の疑惑を告発しその後自死した元西播磨県民局長・Aさん(60)の県公用パソコンの中から“不倫日記”や“クーデター計画”が出てきた、と話す声が入っています。
片山氏はAさんをおとしめ、告発は信用できないクーデター目的の不正なものだった、と印書づけることでAさんは公益通報者保護法の保護対象ではないと主張する狙いだったとみられます。
しかし、不倫日記なるものは創作か実体験かの区別もつかない内容で、クーデター計画は百条委の前にAさんを懲戒処分にかけようと調べた県人事課も相手にしなかったものです」(地元記者)
その後、立花氏は街頭演説などで、この怪文書や音声データの内容をもとに疑惑の告発者であるAさん(60)や竹内氏らを非難した。
「立花氏は同時に『告発委はうそで斎藤知事はハメられた』と斎藤氏を擁護・応援する2馬力選挙を展開し、その訴えがSNSで拡散し斎藤氏再選の大きな力になりました。しかしそれだけでは済まず、SNSやリアルでの大量の誹謗中傷にさらされた竹内氏は県議を辞職し、1月に急逝しました。自死とみられています」(同記者)