「出てこい」「あんまり脅しても自死しても困りますから」
強力なインフルエンサーでもある立花氏は昨秋、当選は目指さず「斎藤さんを応援する」と宣言しながら兵庫県知事選に出馬した。
実際に選挙が始まると演説で「斎藤知事の疑惑は嘘で、知事はハメられた」との主張を行ない、疑惑告発者や調査に関わった県議会関係者らを非難、その演説動画をSNSで発信した。
「矛先を向けられたのは、疑惑を告発し昨年7月に自死したとみられている元西播磨県民局長・Aさん(享年60)や、疑惑の真偽を調べた県議会調査特別委員会(百条委)委員長だった奥谷謙一県議、同委メンバーだった竹内英明元県議、丸尾牧県議らです。
このうち竹内元県議は、SNSとリアルの双方で沸き起こった誹謗中傷から家族を守りたいと県議を辞職した後、今年1月に亡くなりました。自死とみられます」(地元記者)
関係者によると、今回県警が書類送検した容疑はいずれも奥谷県議が出した告訴や被害届に絡むものだ。
「ひとつは知事選告示日の昨年10月31日から11月1日に、Aさんの死亡の原因を奥谷県議が隠蔽したとの内容をXにポストした名誉毀損です。
また立花氏は、11月3日には神戸市内の奥谷県議の自宅兼事務所に支持者を引き連れて訪れ、玄関のインターフォンを鳴らしたり、玄関前で『出てこい』『あんまり脅しても自死しても困りますからこのへんでやめておきます』などと発言したりし、この場面もSNSで拡散されました。この時の立花氏の行動についても脅迫と業務妨害容疑で書類送検されました」(地元記者)
書類送検を受けた神戸地検は、県警の捜査内容を検討し、必要があれば補充捜査をして立花氏を起訴するかどうかを決めるため、立花氏が刑事裁判にかけられると決まったわけではない。県警は送検する際、刑事処分が相当と考えるかどうかを伝える『処分意見』を添えるが、これを県警は明らかにしていない。
ただ県議会関係者は「県警は書類送検直後に、県警記者クラブの記者団に非公開の形で送検の事実を伝え、内容も説明しています。『起訴する必要はない』と考えているのならこうした記者団への説明をするでしょうか」とも話す。