「維新の会の関係者だったらあの文書、平気で作れたと思います」

その立花氏がまた兵庫に現れた。3月1日、演説で立花氏はその理由を、情報漏えいが発覚して兵庫維新の会から離党勧告処分を受けた増山氏の激励だと語った。

「増山さんは(今年夏の)参院選で、できればNHK党から出てほしい。地域政党を立ち上げて2年後の県議選で(斎藤知事)支持派で過半数を取るんです。長期的に兵庫県の県政を考えれば増山さんが兵庫県をまとめる役をします。そういうことをやるために僕は来ました」(立花氏)

このように増山氏に肩入れする理由については、

「増山さんはルールを破った。でも兵庫県民の知る権利に応えたんですよ。それで斎藤さんは再選したんです」とも強調した。
 

3月1日、神戸市での街頭演説で抗議する市民と口論する立花孝志氏(撮影/集英社オンライン)
3月1日、神戸市での街頭演説で抗議する市民と口論する立花孝志氏(撮影/集英社オンライン)

3月1日に2か所で行なわれた街頭演説には「立花退場」「反社会的カルト集団」などと書かれたプラカードを持った数十人が抗議に訪れ、現場は「嘘つき」「帰れ」「お前が帰れ」などの怒号が飛び交い騒然となった。

その中で立花氏が言い始めたのが、岸口氏が提供した怪文書に関することだ。この怪文書について岸口氏は、当初ホテルオークラ神戸で同席したX氏が立花氏に渡したと主張した後、自分も伝達に関与したと説明を変えながら「書いた人が誰か分からない」などと不合理な説明を繰り返している。

そして立花氏は、この岸口氏との面会は、片山元副知事が会いたがっているというので出向いたら岸口氏が来たと説明してきた。そのため演説会場では「あの文書を書いたのは片山元副知事だと思うか」との質問が出た。

それに対し立花氏は、

「片山さんが書いたかどうかで言えばですね、実はあの文書を入手する前から、同じ情報が複数、もう5件も10件も、ぐらいですか。実はあれは、維新の会の中では完全に共有されてました。誰が作ったかというと、維新の会の関係者だったらあの文書、平気で作れたと思います」

と答えたのだ。怪文書を受け取った11月1日より前から複数の維新関係者が同じ内容を口にしていたのを聞いた、ということらしい。

立花孝志氏が公表した、岸口実県議から渡された怪文書(立花氏YouTube)
立花孝志氏が公表した、岸口実県議から渡された怪文書(立花氏YouTube)

「岸口氏は怪文書を渡したことで兵庫維新の会から除名処分を受けました。しかし、文書の形でなくても同じ内容を立花氏の耳に入れていた維新関係者が他にいたのなら、党はこうした人物も同様に処分する必要があるのではないでしょうか」と県議会関係者は話す。