「ボディビルをすることに快感を覚えた」
多くのボディビルダーは、鏡の前でポーズをとり、全身から発達途上の筋肉が飛び出してくるのを見て、途方もない満足感を覚える。巻き尺を使って体の各部位を正確に計測し、何cm大きくなったと言っては大喜びする。
しかし私にとっては、トレーニングという体験そのものが常にやりがいのある楽しいものだった。
ジムで過ごすひと時は、1日の中で最も充実した時間だった。トレーニングがもたらすさまざまな感覚、中でもトレーニング中のパンプ感、トレーニング後の疲労がもたらすリラックス感がたまらなく好きだった。
ボディビルダーであることを楽しむだけでなく、実際にボディビルをすることに快感を覚えた。
こんなふうに熱意を持ってトレーニングすることが肝心なのだ。本当に好きでなければ、毎日ジムに通い、過酷なトレーニングに打ち込むなんてことは続けられないだろう。
ジムに来ていやいやトレーニングしているようでは、ジムでの筋トレを待ちきれない人ほどの成果を出せるはずもない。
ジムには、もっと激しくトレーニングするようにとアドバイスしなければならない人もいれば、やりすぎないよう注意しなければならない人もいる。
私の知る限り、大会で勝利を収めるのは、きまって後者のボディビルダーだ。