夜逃げされて黒字になるレアパターンも?
「今回の件がいままでと違っていたのは、ペット不可の物件にも関わらず、ペットを飼っていた痕跡があったことですかね。臭いとかが酷いと消毒するのにお金がたくさんかかるので厄介です。ただ、今回はそういった臭いのシミ付きなどはなく、そこは一つ、安心できるポイントでした」
夜逃げされたあとの部屋については、通常の部屋と同様にクリーニングして次の住人に貸すことになるのだが、そこで問題になるのが、残された家具だという。
「ゴミは粗大ゴミで出さなければいけないのですが、その手続きを業者に頼むと5桁(万円)クラスの費用がかかるので、自分で行なっています。幸い、今回のアパートの近くには友人が住んでいたので彼に頼むことができました」
なんとも手間がかかる夜逃げ後の処理。その一方で、夜逃げされてしまって逆に“黒字”になるパターンも存在しているというから驚きだ。
「以前、家具はそのままでキレイな部屋のままに夜逃げされたことがあります。残された物品につきましては、期間内に持ち主が取りに来ない場合は大家の所有物となるので、そのまま部屋を軽くクリーニングして、“家具付き物件”として貸し出しました。
夜逃げされた場合の家賃滞納分は加入している保証会社が代わりに払ってくれ、その分がマイナスになることもなく、さらにお見舞金ももらえるので、すぐに次の入居人が決まったために黒字になったという感じですね」
とはいえ、部屋がキレイなまま夜逃げされるなんて例はごくまれで、たいていはドアが壊れていたり、ガラスが割れていたり、たばこの臭いが染みついていたりなどで、保証会社から保険金が出たとしても赤字になり、その分を自ら補填しなければならないそうだ。
夜逃げとは違うが、過去には住んでいた人が孤独死していたケースがあり、原状回復のために100万円ほどの費用がかかったそうだ。
しかし、こうも夜逃げが頻発するならば管理会社にもっと厳しく入居審査をしてほしいと思ってしまうが、そう簡単にできない事情もある。