「手間がかかる」、相次ぐ年賀状じまい

《誠に勝手ながら本年を持ちまして年賀状でのご挨拶を控えさせていただくことと致しました》

正月の風物詩の一つでもある年賀状だが、近年はデジタル化の加速に伴い、このような形で「年賀状じまい」をする人々が相次いでる。

来年で「年賀状じまい」をすることに決めた東京都在住の50代の男性は、「『今年こそは会おう』と書いても会わない人が多い状態で儀礼的に続けているなと感じていました。はがき代も上がりますし、連絡手段も多様になった。1年に1回の年賀状という手段にこだわらなくても、LINEやメール、電話など適切な方法で繋がっていければいいかなと思いました」

葬儀の口コミを運営する株式会社「ディライト」(東京都)が20~70代の男女約千人に実施した年賀状に関する最新の調査によると、「新年の挨拶を年賀状はがきで出す予定ですか?」という質問に対し、62.6%が「出さない」と回答した。

「出さない」と答えた人の64.3%がすでに「年賀状じまい」を終えていて、今年から「年賀状じまい」を検討している人も14.7%にのぼる結果となった。

理由としては、「手間の軽減」(43.2%)が最多で、次いで「メールやSNSなど電子的な手段で十分」(42.7%)となった。実際に新年の挨拶の手段として「LINE」(46.7%)▷「特に行わない」(44.0%)▷「メール」(15.0%)と、形式的な挨拶文化の希薄・簡略化が目立つ形となった。

さらに追い打ちをかけるように、今年10月から郵便料金が大幅に値上げされ、年賀状は1枚63円から85円に。デジタル化とともに、効率重視の忙しい現代人の生活やコスト面を踏まえても、今後も年賀状じまいが加速していくことは明らかだろう。

加速する「年賀状じまい」(写真はイメージです、以下同)
加速する「年賀状じまい」(写真はイメージです、以下同)