「両親が大腿骨骨折」に要注意
検査を受けた人はご存じかもしれませんが、Tスコアとは、20~44歳までの健康女性の平均値(YAM値)を100として、その何%にあたるかを比べた数値。もう1つは同年代の平均値と比較したZスコアですが、重要なのは、Tスコアです。
骨粗しょう症と判定される基準は70%未満の場合で、70~79%なら骨量減少(骨減少症)、80%以上なら正常と診断されます。ちなみにYAM値は女性の平均値ですが、男性の診断にも用いられています。
また「骨折したことがある」人は、これまでに骨折したことがない人と比べて2倍、骨折リスクが高くなります。ちょっとした転倒や軽い衝撃でも骨折してしまうのは「脆弱性骨折」といい、骨粗しょう症のサインと言えます。
これら4大危険因子以外にも次のようなサインや生活習慣がある人は、骨粗しょう症のハイリスクグループです。
①痩せ過ぎている
一般的にはBMI(体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数)が低いほど、骨折リスクは高まります。
BMIの計算式
・BMI = 体重kg ÷ 身長mの2乗
・適正体重 = 身長mの2乗 × 22
日本肥満学会の判定基準ではBMI18.5未満が痩せ過ぎと判定されます。ただ、最近の報告から、BMIと骨折リスクの関係は複雑で、骨折する部位によって影響が異なることがわかっており、たとえば大腿骨近位部についてはBMIが低いほどリスクが高まりますが、上腕部の骨折はBMIが高い肥満のほうが高リスクになります。
②両親のいずれかが大腿骨近位部を骨折したことがある
両親のいずれかに骨折歴があると、骨粗しょう症性骨折のリスクは1.18倍、大腿骨近位部骨折のリスクは1.49倍もあります。また、両親の骨折歴を大腿骨近位部に限った場合には、骨粗しょう症性骨折のリスクは1.54倍、大腿骨近位部の骨折リスクは2.27倍に上昇します。