「バランス機能」は加齢とともに低下する

健康な人であれば、「歩く」という行為は毎日、自然に行っていますが、じつはちゃんと歩くためには、大変多くの要素がクリアできなくてはなりません。

いわゆる正常な歩行をするためには、さまざまな器官が私たちの体を調節しています。その要素としては、次図にあるように、歩く際の「外界への適応機能」「運動機能」「バランス機能」が重要になります。

なかでも、私たちが重要視しているのは「バランス機能」です。これは、いわゆる平衡感覚のことです。

図:正常な歩行をするための3つの要素。『百歳まで歩ける人の習慣 脚力と血管力を強くする』より
図:正常な歩行をするための3つの要素。『百歳まで歩ける人の習慣 脚力と血管力を強くする』より
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人間は、地上で重力に逆らって歩いています。ですから、空間における自分の位置の変化を認識して、適切な状態を保つ必要があります。

この機能は、生まれてから成長する段階で徐々に習得しますが、加齢とともに低下していきます。そのため、これを維持する努力が必要になります。