糖質制限ダイエットはリバウンドする

糖質制限は比較的すぐに減量を実感できるので、良いと信じている人が多い印象がある。しかし、そもそも糖質制限ダイエットによる減量効果は一時的であり、長期的に維持することが難しいことはあまり知られていない。

炭水化物の摂取量を控える糖質制限と、脂質の摂取量を控える低脂質ダイエットを比較した研究がある。その結果を見ると、たしかに6か月までの短期的な追跡においては、糖質制限ダイエットに軍配が上がることが分かる。

糖質制限は短期的には減量に有効
糖質制限は短期的には減量に有効
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しかし1年経つと、この2つのグループの間での違いはほぼなくなってしまった。
さらにデータを見てみると、1年後の段階で両群とも約4割の人は継続できず脱落していることが分かる。つまり、糖質制限ダイエットは長期的に続けることが難しい食事法と言える。

長期的な減量効果は示されていない
長期的な減量効果は示されていない

糖質制限ダイエットは、低脂質ダイエットと比べて副作用も多い食事法だ。やはり不溶性の食物繊維の摂取量が減るので、約7割の人が便秘になり、6割の人が頭痛を経験すると報告されている。

多くの副作用のあるダイエット法なのである。これらを総合的に判断すると、糖質制限ダイエットは医学的にはあまりおすすめできない食事法であると言っても良いだろう。

図/書籍 津川友介著『正しい医学知識がよくわかる あなたを病気から守る10のルール』より
写真/shutterstock

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参考論文

*Seidelmann SB et al. Dietary carbohydrate intake and mortality: a prospective cohort study and meta-analysis. Lancet Public Health. 2018;3(9):e419-e428.
*Samaha FF et al. A Low-Carbohydrate as Compared with a Low-Fat Diet in Severe Obesity. N Engl J Med. 2003;348(21):2074-2081.
*Foster GD et al. A Randomized Trial of a Low-Carbohydrate Diet for Obesity. N Engl J Med. 2003;348(21):2082-2090.
*Yancy Jr. WS et al. A Low-Carbohydrate, Ketogenic Diet versus a Low-Fat Diet To Treat Obesity and Hyperlipidemia: a randomized, controlled trial. Ann Intern Med. 2004;140(10):769-777.