炭水化物は減らしすぎると不健康になる
実際に、炭水化物の摂取量と死亡率の関係を評価してみると、U字の関係にあることが分かっている。つまり、炭水化物の摂取量は多すぎても少なすぎても不健康になってしまうということを意味している。
この研究をもう少し詳しく見てみると、動物性のたんぱく質・脂質の摂取量が多い人においては、糖質制限ダイエットをしている人の全死亡率、心筋梗塞などによる死亡率、糖尿病の発症リスクが高いという結果であった。
一方で、植物性のたんぱく質・脂質の摂取量が多い人においては、逆に糖質制限ダイエットをしている人の全死亡率、心筋梗塞などによる死亡率、糖尿病の発症リスクは低いという結果であった。
人は食べないとお腹が空いてしまうので、食事の量を単純に減らすということは難しい。何かの摂取量を減らすと、その代わりに何かほかのものを食べることで空腹にならないようにする傾向があるのだ。
糖質制限ダイエットをしている人の中には、肉などのたんぱく質の摂取量を増やすことで満腹感を得ている人も多いが、肉は食べすぎると大腸がんのリスクを増やしてしまうなど健康に悪影響がある。
そもそも、不溶性の食物繊維が豊富に含まれる「茶色い炭水化物」の摂取量が減ること自体も、大腸がんのリスクを上げる原因になる。見た目がスリムになれるのであれば大腸がんのリスクが上がってもよいと思っている人は少数派だろう。
多くの人は、このような「諸刃の剣」のダイエット法ではなく、がんのリスクを上げることなく痩せたいと思っているはずだ。
そこで「茶色い炭水化物」の出番である。白い炭水化物を茶色い炭水化物に置き換えることで、健康に良い効果があるだけでなく、ダイエットになることも研究結果から分かっている。