被害児童の保護者も目にしていると思いますが…
――被害児童と関係児童(加害側)で、触れ方や触れられた箇所にかなりの差異があります。この違いについて、どう認識されていますか?
被害児童と関係児童で認識が違うことは、当初からお互いにわかっている状況ではあります。今回は、どちらが正しいのではなく、お互いの言い分というところで(書面を)出しています。
――この文書は、当然ながら被害児童の保護者も目にしていると思いますが。
この文書自体は見せていませんが、関係児童の聞き取りをまとめた同じ内容の文書は見ています。その際、「こちらの認識とは違う」というお言葉もいただいておりますが、児童の保護者の了承を得たうえで、情報開示しています。
――文書内では、関係児童への聞き取り結果のみが記載されていますが、被害児童側への聞き取りは行なっていないのですか?
(被害児童への聞き取りは)行なっていません。児童を連れて病院の診断を受けた保護者より「被害に遭った状況を想起させないことが大事」と言われているので、学校としてもそれを避けるために、被害児童に対しては聞き取りを行なっていません。ですので、(被害)児童から直接的に話を聞いているのは、親御さんのみになります。
――被害児童は現在、通常どおり登校できているのでしょうか?
夏休み明け初日は休んだものの、2日目から登校していました。しかし、神奈川新聞の記事が出た翌日の9月17日から登校できていない状況です。
――今後、被害児童への聞き取りやケアなどはどうされていくのでしょうか?
学校から保護者に連絡を入れたり、学習の内容を届けたりしている状況です。児童が登校できるようになるまで、毎朝、教頭が校門で児童を待って教室まで送り届けるだけでなく、 教室に「ふれあい補助員」を1人配置し、担任以外も児童を見守れるような状況にしています。
また、児童がトイレに行く際に付き添えるように女性教諭を用意したり、女性の教育相談コーディネーターを配置し、何か困ったことがあるときにいつでも相談できたりするような環境をつくっています。
被害児童側と関係児童側、どちらの発言が正しいかは、現時点では判明しない。しかしながら、被害を訴えている人間がいる以上、現時点で関係児童の言い分だけを情報開示するのは、あまりにも中立性に欠けると言えるのではないか。
茅ヶ崎市教育委員会には、被害を受けたとされる児童に対する十分なケアを含めて、しっかりとした調査を願いたいものだ。
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取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班