プロではない“ネットネイティブ世代”による犯行

京都府警は、9月10日に静岡県湖西市の会社員・金沢勇太容疑者(23)を性的姿態撮影処罰法違反の疑いで逮捕したと発表した。

金沢容疑者は、2023年10月28日15時43分頃、静岡県浜松市中央区の商業施設内にて、女性のスカート内に後方からスマートフォンを差し入れて、下着を撮影。同日16時32分ごろに、SNSのグループ内のメンバー4人に撮影した写真を共有したという。

さらに2024年3月4日には、その写真をSNSのフォロワーのみが見られる非公開アカウントに投稿し、不特定多数者に対して閲覧可能な状況にした。

「金沢容疑者は、自身が運営するSNSで『全国盗撮トーナメント開催』などと告知するほか、そこで募ったと思われる同志をLINEグループに招待し、『俺はS級盗撮魔だぞ』と発言。メンバーに『みんな盗撮調子どう?』などと焚き付けていました。画像の共有や盗撮方法の情報交換は、このLINEグループで行われていたようです。グループには容疑者を含め20都府県から最大28人が参加し、なかには高校生もいました」

京都府警(撮影/集英社オンライン)
京都府警(撮影/集英社オンライン)
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事件の状況を説明するのは、性犯罪に詳しいノンフィクションライターの諸岡宏樹氏。同氏は、今回の事件について次のように分析する。

「これまで多くの盗撮犯罪を取材してきましたが、今回の事件は“ネットネイティブ世代”による犯行です。金沢容疑者も23歳と若く、小型カメラなどを駆使する従来の手練れとはまた違ったタイプだと感じました。

たとえば、以前までの盗撮犯であれば、自らを盗撮魔だと豪語しませんし、盗撮についてSNS上で発信する場合も、『鳥(撮り)』といったように隠語を用います。あるいは、鳩や鴨、鶏などの絵文字に『JC』や『JK』と加えることで、暗に『女子高生や女子中学生の盗撮』ということを表現します。

また、仮にSNSでメンバーを募ったとしても、やりとりはLINEではなく、『ディスコード』や『テレグラム』のような、メッセージが一定期間で消える秘匿性の高いツールを使うでしょう。

鳥の隠語をつかう集団、やっていることはあまりにも卑劣だ
鳥の隠語をつかう集団、やっていることはあまりにも卑劣だ

 盗撮時の手口に関しても、堂々とスマホをスカート内に差し入れるなど杜撰さを感じるとともに、それだけ盗撮に対する犯罪意識の低下を感じる事件でした」