住民から要望があったら対策せざるを得ない
“マンション側”の見解も聞いてみた。錦糸町のマンションの入口横の受付にいた50代の男性スタッフに問題の貼り紙を見せると…
「こういうのはあんまり見ないし、付近でも聞いたことないです。高層とか高級なマンションではあるのかなぁ。
こういうのは管理組合の判断で出してることが多いんじゃないかな。でもうちでもクレームがあったら、ここまでじゃないけど何らかの対策はすると思います。結局、多くの住人から意見があったら無視するわけにはいかないので」
付近で清掃していた管理会社の男性清掃員2人組はこう答えた。
「こういうのは本当に管理人による。この辺はわりとのどかでうるさい人もいないけど、言う人は低層とか安い物件でもこういうのは貼り出す。タワマンでも気にしない人はいるし、本当にさじ加減次第。だから現場のうちらは振り回されるんだよね」(50代男性)
「僕は見たことないけど、よそじゃたまにこういうルールは聞きますよ。まぁ、この画像みたいにインターホンの上とか、ここまで派手には出さないと思いますけど。特に台車で重い荷物積んだりすると、ローラー痕が残っちゃうこともあるんじゃないですかね」(30代男性)
再びもんじゃの街・月島へ。渋谷で“迫害”を受けたAmazonの配達員を見つけたので、貼り紙の画像を見てもらい、見解を聞いた。
「Amazonが名指しされてるけど、例えば台車がダメなのは佐川もヤマトも一緒ですよね? まぁ、こういうのはやっぱりタワマンに多いですね。僕は今、普通のマンションから出てきたばっかりですけど、(タワマン群を指して)たぶんあっちのほうはNGじゃないかな。
住人というより、管理組合が決めるようですよ。僕もこの辺のタワマンで台車NGのところに『なんでダメなんですか?』って聞いても『組合で決まってるから』って。理由はなくその一点張り。置き配についても、お客さんはOKなのに管理組合がダメっていうのはけっこうあります」(40代男性)
「僕も昨日Xで貼り紙見ましたよ。Amazonは間口が広いから、いろんな人がいるというのもあるんじゃないですか。僕のエリアだけかもしれないけど、教育担当もいないし研修もなかった。登録を済ませてあとはオファーを受けるだけなんで。
外国の方もいますよ。ただ、犯罪歴などにはきちんと気を遣っているようです。登録するときに、5年だったか6年だったかの間に『警察にお世話になったことないですか』みたいな照会があって、僕もそれをクリアしてます。
Amazonから配達業務を始める人は、配達のことは誰も教えてくれないことが多いんで、独自で周りに聞いたりYouTubeの配達動画を見て研究したりしてます。マニュアルは一応あるんですけど、実際の現場はそれで対応できないことが多いじゃないですか」(30代男性)
配達員もそれぞれ努力をしながら配達をしているようだ。届けられるほうもその大変さに思いを馳せる必要があるのではないか。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班