今大会で最も世界的な人気を獲得した選手?
「まずあげるなら、陸上男子棒高跳び予選のフランス、アントニー・アミラティ選手。5メートル70の高さにチャレンジした際、あろうことかバーに股間がチーン! 引っかかって失敗してしまうというハプニング。棒に〝棒〟をぶつけてしまう衝撃、まさに〝珍〟事でした。
余談ながら、アミラティ選手はこの出来事がきっかけで、インスタのフォロワーが8000人から28万人になったとか、アメリカのエンタメ業界誌『Variety』の選ぶ、パリ五輪期間中最もバイラル化したアスリートのひとりに選ばれた、とか、そんな話もあるようです。
まさに競技には敗れたものの『男としては勝った』とでも言うのでしょうか」(こざきさん、以下同)
実際にアミラティ選手のインスタには、世界各国の言語で〈なぜかあなたはブラジルでとても人気があるよ〉〈恥ずかしがらないで、あなたは今、世界中にたくさんのファンを持っているから〉〈オリンピックでは負けたけど、人生では勝ったね!〉など、熱烈なコメントが書き込まれている。
「また、“うっかり”ではあるものの、選手的には『おいおいおい』な、たまらない珍事も。そのひとつが自転車女子ケイリンの敗者復活戦。日本の太田りゆ選手が1着で準々決勝に進出しましたが、このとき、ラスト1周を知らせる鐘が、運営側の不手際でうっかり鳴らされなかったのです。
結果、太田選手はゴールしたとは思いながらも、『もしかして……』との思いから、もう1周めちゃこぎまくりで走ってしまうことに。つらいよね〜」
太田選手は競技後、自身のインスタグラムで、「向こう側のミスで1周多くもがいた。身体に染みこんだ周回数も絶対勝ちたすぎて、万が一を思ってゴールじゃん絶対! と思いつつ踏み続けました」とこの時の心境を明かしている。
最終的には日本歴代最高の9位となったが、トラブルがなかったらもっと上だったかも……と思ってしまう。
「『おいおいおい』的な珍事はフェンシングでも。ブラジルのナタリー・モエルハウゼン選手は試合中、負傷して倒れ込んでしまいました。
その後、椅子に座って休んでから試合を続行。負けたものの最後まで戦い抜いたのです。というわけでモエルハウゼン選手は珍事の主役ではありません。珍事の伏兵は、ほかにいました。
休むためにスタッフが運んできた椅子に、モエルハウゼン選手のコーチが座ってしまったのです。コーチは、すぐにスタッフから促されて立ち上がったようですが……。まさにコントのようなできごとでした」