入場シーンに国ごとの「船の格差なんかエグくね?」
開会式の舞台となったのは、パリ市内の中心部を流れるセーヌ川。この川は1923年より水質汚染による健康被害を理由にして遊泳が禁止されていたが、今回、パリ市は五輪を誘致するにあたって14億ユーロ(約2400億円)を投入して浄化作戦を展開した。
ところが、それでも今年の6月には川から基準値を超える大腸菌が連日検出されるなどして、相変わらず世界の各国から、水質汚染を指摘されることに。
すると開会式を間近に控えた7月17日、65歳のイダルゴ市長が自ら川で泳いで、水質が改善したことをアピール。かなり強引な策を講じて、なんとか“安心・安全”な開会式にこぎつけた。
そんないわくつきの川だが、選手の入場シーンでは、噴水をド派手にまき散らし、その中を船に乗った選手たちが登場。気になる水質だが、やはりお世辞にもあまりキレイには見えず、テレビを見る視聴者からは〈この川で噴水して大丈夫なの?〉〈選手にかかりませんように〉〈大腸菌浴びてるようにしか思えないんだけと大丈夫?〉など心配の声も……。
そして、この斬新な船による入場演出そのものも、物議を醸す対象になってしまった。というのも、今回は100隻以上の船に選手たちが乗って、セーヌ川をおよそ6キロ航行したのだが、国ごとに船がそれぞれ違い、じつに多様な船で登場した。
出場選手が多いアメリカやフランスが、大戦艦や豪華客船のような船を“貸し切り”で登場する一方で、ほかの国は4か国で一つの船に同乗したり、出場選手が数人しかいないブータンにいたっては、小さなモーターボートで登場したりと、ネットの反応ではそれを“格差”と捉える人もいたようだ。
また、海外の報道で「世界で最も美しいユニフォーム」と注目されたモンゴル選手団のユニフォームが、ウワサ通りのオシャレさだとポジティブな面でも注目を集めた選手入場だが、やはりこの“格差問題”にはネット上でも〈船の格差なんかエグくね? 揉めたりしないといいが〉〈小さい船が工作船とか難民船とか言われてて笑えん〉〈格差の可視化みたいで見ていて恥ずかしくなる気持ちが…〉〈船の豪華さは単純に人数の差であってほしい そうだよな? な?〉など動揺の声が広がっていた。