「地獄のような3年間だった」

雨天のため2日延期して開催されたスケートボードの男子ストリートで堀米雄斗がオリンピック連覇を果たした。大会前には苦しい展開を予想されることもあったが、終わってみれば初代オリンピック王者が圧巻の優勝劇を見せつけた。

もちろん連覇までの道のりは順風満帆ではなかった。

パリ五輪の出場権争いが激化したことで、東京五輪の金メダリストも五輪予選シリーズ(OQS)の第1戦では予選落ちの屈辱を味わうなど苦しい状況に追い込まれた。

一時は最大3枠を争う日本代表の選考レースで5番手に転落したこともあった。それでも、今年6月に行われた予選シリーズ最終戦で起死回生の優勝を果たした。

「地獄のような3年間だったけど、乗り越えられて光が見えてきている」

大逆転で五輪切符をつかんだ後に堀米はこう話した。その言葉通り、パリ五輪決勝の舞台でも最終滑走前まではメダル圏外だったが、ラストチャンスで今大会の最高得点となる97.08点をマークし、五輪本番でも大逆転劇を披露した。

「ここまでくるのに諦めかけたこともあったし、オリンピックに行けるかもわからない状況もあった。1%くらいの可能性を最後まで信じて、それが最後に実ってうれしいです」

表彰式後のインタビューでは「地獄のような3年間」をくぐり抜けた晴れやかな笑顔をのぞかせた。

連覇を果たした堀米雄斗(写真/共同通信社)
連覇を果たした堀米雄斗(写真/共同通信社)
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東京五輪で初めて正式種目となってパリが2大会目となる「スケートボード」だが、堀米が日本にもたらしたものは2つの金メダルだけでない。先駆者たちが築いた礎をさらに推し進めて、日本が「スケートボード大国」となるための大きな原動力となっている。