保護者会では「許せない」と怒りの声

こども園から救急車の要請があったのは6月7日午前11時ごろのことだ。

「『男の子の泣き声が聞こえて駆けつけると、首から血を流しています』との通報があり、消防が駆けつけると男児が園の玄関付近にあおむけに寝かされ、周囲の人が止血をしていたそうです。男児は搬送されて命はとりとめましたが、全治一か月の重傷を負いました」(地元記者)

この男児を含む複数の園児たちは直前まで園庭で遊んでおり、教室へ戻るときに突然男児に異変が起きた。園の代理人弁護士によると、当時周辺には職員5人がいてすぐに救護にあたったが、なぜ男児がけがをしたのかは、わからなかったという。

笹山容疑者(本人SNSより)
笹山容疑者(本人SNSより)
すべての画像を見る

「ところが、救護にあたった一人で男児の担任を務めていた21歳の笹山なつき容疑者が、県警の調べに対し『刃物のようなもので首に切りつけた』と認め、県警は8日未明、笹山容疑者を逮捕しました。笹山容疑者は『けがを負わせたことは間違いないが、殺すつもりはなかった』と容疑の一部を否認しています」(社会部記者)

こども園は9日、保護者向けの説明会を開催し、原因究明や再発防止のため、弁護士や医師、保育士に保護者も加えた調査委員会を設置する方針を伝えた。

窓一面のカーテンが閉め切られ、外から見えない状態で開かれた説明会では、参加した保護者から「わが子だったかもしれない」「許せない」と怒りの声が上がったと園の代理人弁護士は報道陣に説明した。

「この弁護士などによると、笹山容疑者は県内にある保育士を養成する専門学校を卒業し、昨年12月ごろまで小児専門病院の病児保育で勤務した後、今年2月から今のこども園で働き始め、4月から2歳児クラスの担任になっていました。

ところが笹山容疑者が担任になってから、このクラスでは子どもがけがをすることが続出。園の代理人弁護士も『(笹山容疑者の)クラスで最近ちょっと事故が多いということもあった』と認めています」(地元記者)