無料か? 課金か? 視聴状況で異なる観る側のスタンスにも問題が…

もちろんテレビというのは、いつの時代もつねに世間から文句を言われがちな存在だというのは理解している。

なんといっても圧倒的に多くの人間に届くメディアである。

広告媒体としてはやや勢いが落ちているといわれるが、視聴者数という点でいえばテレビの力は未だ圧倒的だ。これだけの力を持っているなら、それにふさわしい公共性というのはつねに求められる。それは公共放送であるNHKだけでなく民放も含めてである。

そういった力を自覚せず、作り手がいい加減なものを世に出したなら、相応の批判をされるのはやむを得ない。

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また特定の層を相手にするのではなく、広く老若男女を相手にしているという側面もある。

すべての人を納得させる番組など基本的に存在しない。若者に人気の番組は年配の方にとってはわけがわからない番組だろうし、逆もそうだ。タレントも全世代から支持を受けているような人はほんの一握りである。

そして、無料で受け手の選択にかかわらず放送されているため、テレビをつけている限り見たくないものも目に入ってしまうというのもあろう。

自身で選択し課金して能動的に見るコンテンツと違い、地上波テレビ視聴者のスタンスは受け身である。

これはひどいと思った場合、能動的に見たものならまあ自己責任だしという気持ちも半分あって課金をやめるなどの選択肢があるが、受動的だとすべて相手の責任である。

連続ドラマや毎週やっているバラエティなら来週から見ないもできるが、単発のものだと文句を言うことでしか自分を納得させられない。