「市長の職務としての投稿は名誉を毀損している」
市議会との対立の実態は、どのようなものだったのだろう。別の「反・石丸派」の議員はこう話した。
「石丸氏が市長に就任したときはまだ37歳だったから、まわりの議員はほとんどがおじいさんみたいな年齢のもんばかりで『若いもんが頑張ってるんだから多少のことは目をつむって見守ろう』って言ってたんですけどね。
例の『恥を知れ』ってやつも、本人が『3日も前から言うタイミングを狙っていた』と言ってたくらいでね(笑)。居眠りはもちろん問題と思いますが、何かを考える際に目をつむるようなタイミングだってあるでしょう。
いずれにせよ、注意なら本人に直接すればいいのにSNSにいきなり投稿するのはやりすぎじゃないか、と議員らで話していたところに市長本人が乗り込んできたんですよ。
それを『呼び出しを受けた』と言い出して『議会の批判をするな。選挙前に騒ぐな。敵に回すなら政策に反対するぞ、と説得? 恫喝?あり』とまた投稿する始末ですわ」
SNSで「恫喝した」と名指しで批判された山根温子市議は「虚偽の発言で名誉を傷つけられた」と石丸市長を相手取り損害賠償を求めて広島地裁に提訴。
昨年12月26日の判決公判で光岡弘志裁判長は「市議の恫喝発言は認められず、市長の職務としての投稿は名誉を毀損している」などとして、市に33万円の損害賠償を命じている。
「石丸市長が作った話にマスコミが飛びついて、本人も取り上げられて有頂天になってしまったんでしょうね。もちろんSNSなどを駆使した発信力もあるし、若いし顔もいい。表面的には人気はありますわ。東京で頑張るというなら、それでええんじゃないですか」
学歴と職歴は立派だが“敵”も多い”ユーチューバー政治家”。トランプ前大統領を想起させる発信力に長けた石丸氏は、はたしてエースなのかババなのか。
ある都議会関係者は「カタブツな人も多く利権も絡む地方より東京のほうが石丸さんの賛同者は多いはずだ」と期待する。また、石丸氏の出馬表明には、実業家でインフルエンサーの西村博之氏や堀江貴文氏もエールを送っている。
「女帝」との闘いはまもなく幕が開くー。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班