誤算つづきで補選「全敗」も

「多くの豪華なゲストに息をのみ、妻には『誰が主賓かわからない』と言われました。大統領のすぐ隣の席に案内されたときはホッとしました」

日本時間4月11日未明、岸田首相はYOASOBIやロバート・デ・ニーロら著名人も招かれたホワイトハウスでの公式晩餐会で冗談を述べ、会場が大きな笑いに包まれると笑顔を見せた。

岸田首相とバイデン米大統領。渡米後、夕食会へと向かう車中にて(本人Facebookより)
岸田首相とバイデン米大統領。渡米後、夕食会へと向かう車中にて(本人Facebookより)
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だが同じ日の永田町では、東京15区補選の情勢調査とされるデータが一斉に出回り、衝撃が走っていた。

「各党の調査として複数の調査結果が出回り、いずれの調査でも都民ファーストの会が推薦する乙武洋匡氏が苦戦を強いられていることが明らかになりました」(全国紙政治部記者)

裏金問題の逆風から公認候補の擁立をあきらめた自民は当初、小池百合子都知事の人気にあやかり、乙武氏を推薦することで「1勝」を確保する算段を立てていた。
しかし、乙武氏が出馬会見で自民の推薦について「おそらく逆風になる」と述べたことで推薦に向けた動きが難航。公明も過去に女性スキャンダルが報じられた乙武氏の推薦には難色を示した。

さらに「文藝春秋」が小池氏の元側近による「私は学歴詐称工作に加担してしまった」との証言を報じたことで小池氏の学歴詐称疑惑が再燃したこともあり、乙武氏への支持は広がらないとみて、12日には推薦を見送ることを決めた。

東京15区補選に出馬表明した乙武洋匡氏
東京15区補選に出馬表明した乙武洋匡氏

だが、自民が東京15区で乙武氏を推薦せず候補を擁立しないと、3補選のうち不戦敗は長崎3区も合わせ「2」となる。さらに、残る島根1区でも、自民の新顔が立憲の元職に苦戦している状況だ。

「立憲元職の女性候補は、保守層にも食い込み、知名度もある。さらに、細田博之前議長の弔い選挙とはいえ、細田氏は旧統一教会問題や女性記者へのセクハラ疑惑も抱えていた。そこに裏金問題も直撃。本来なら、同じ派閥の安倍派の議員秘書らがこぞって選挙戦の手伝いに訪れるはずですが、そんな動きもほとんど聞こえてきません」(自民関係者)

菅義偉政権下だった2021年4月には、補選など国政3選挙で自民が「全敗」し、菅氏は半年後の総裁選に出馬できず、衆院解散もできずに退陣に追い込まれたことは記憶に新しい。そうして誕生したのが岸田政権だった。

「全敗となると、『岸田おろし』も現実味を増す。そんな状況で本当に衆院を解散できるのか。周りが止めるのではないか」(自民関係者)