再燃した学歴詐称疑惑を元都民ファの都議も追及
今回、小池氏の学歴詐称疑惑を再び報じたのは、同問題の急先鋒であり続けた文藝春秋社。同社で「本誌」と称される月刊「文藝春秋」5月号が、重大証言からなる2つの記事を掲載した。
ひとつは元都民ファーストの会事務総長にして弁護士の小島敏郎氏が、学歴詐称工作に加担してしまったことを悔いる「元側近の爆弾告発」。もうひとつは小池氏のカイロ時代のルームメイトだった北原百代さんの「カイロで共に暮らした友への手紙 百合子さん、あなたが落第して大学を去ったことを私は知っている——」。
小島氏が「工作」と告発したのは、小池氏が2期目に臨んだ2020年の都知事選直前に発売され、瞬く間にベストセラーになったノンフィクション作家の石井妙子氏の著書『女帝 小池百合子』に関するものだ。この中で小池氏の学歴を「虚偽」と断じたことを揉み消すためにカイロ大学長に「卒業したことを証明する」という声明文を出させた「偽装工作」のことだった。
キャリア官僚として環境庁で次官級ポストまで務め、また法曹資格者である小島氏が、小池氏の学歴詐称に加担した自身の「黒歴史」を独白したことは、これまでの疑惑報道とは一線を画す重みがある。
集英社オンラインでは、学歴詐称を含めてこれまで小池都政の疑惑を追及し続けてきた上田令子都議(江戸川区選出、3期目)に話を聞いた。上田氏は一時期、都民ファーストの会に籍を置いていたが、小池氏の都政運営の姿勢に疑念を抱き、2017年10月3日に離党。以降は議会内外で小池都政の問題点に鋭く斬り込んできた。
――小池都知事のカイロ大学卒業の経歴詐称問題が再燃していますが、どうご覧になっていますか。
上田令子都議(以下同)勇気ある発言者がまた増えたと思いました。(小池百合子という政治家は)巨大権力なので、みなさんが尻込みするのは当然ですが、長い年月をかけて勇気ある発言者が増えてきました。本当は4年前に決着したかったとこですし、私自身も批判されたり嫌がらせのメールがたくさんきましたが、言い続けてきてよかったなと思います。